第48話 オフィスでも起きた誤解
文化や言語の違いによる様々な誤解は、オフィスでもあった。
ある日、日本人駐在員が日本からチャイルドポルノグラフィーの情報をファックスで受け取っていたという報告がアメリカ人の女性社員から人事に入り、通訳である真奈に日本語で書かれたそのファックスを読みに人事まで来て欲しいという声がかかった。
行ってそのファックスを見ると、それは日本のC Dの広告で、トップにKINKI KIDSとローマ字で書いてあった。日本人ならすぐ歌のグループの名前だと分かってなんということはないはずだった。彼らが関西の出身で、近畿地方の近畿のことだろうと想像することさえできた。
ところが、たまたまKinkiが英語のkinky(性的に異常なこと)に似ていたために、アメリカ人女性の誤解を受けてしまった訳だった。
真奈が、
「変態とは全然関係ありません」と人事に説明して終わったが、可哀想にその日本人駐在員はしばらくの間、周りにも変態と思われてしまっていたようだった。
愉快な誤解?としては、真奈が新しい日本人駐在員をアメリカ人社員の前で紹介した時だった。
彼の名前を言った途端にアメリカ人の間からクスクスと笑いを抑える反応が飛び出した。
真奈が英語で彼の名前を考えた途端、その訳が判明した。彼の名前は「一安さん」だったのだ。つまり、英語の”Itchy Ass(痒いお尻)"に聞こえてしまったのだ。
可哀想な「一安さん」には、彼の名前が英語でどう取られてしまうかを説明して、アメリカ人には”Mr. I.Y.”と呼んでもらうことで収まったのだった。
To be continued...
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