天妃物語9
「紫紺、私も一緒に戦います! あなたが私を守ってくれるように、私も必ずあなたを守ります!」
「ははうえ……!」
紫紺の瞳がじわじわと
でもぐいっと涙を
「オレとははうえがおまえなんかやっつけてやる!!」
「あぶぶっ!」
おんぶしている青藍が短い手足をジタバタさせました。
まるで自分もとばかりのそれに頷きます。
「はい、もちろんです。あなたも一緒ですよ」
「ばぶっ!」
青藍がぎゅっと私の背中にしがみつく。赤ちゃんの戦闘態勢です。
「お前たちになにができる!
「
「まかせろ!!」
紫紺が駆けだしました。
その動きに合わせて私は神気を発動します。
周囲一帯に
「えいえいえいえいえいえいっ!!!!」
ドゴッ、ガンッ、ガッ、ズドッ、ゴッ、ドガッ!!
「ぐっ、ぐはっ……! や、やめろっ!」
紫紺の連打が羅紗染を容赦なく攻撃します。
羅紗染は反撃しようと邪気を放ちますが、
当然ですよね、紫紺は私の宝物です。指一本触れさせません。
追い詰められた羅紗染が紫紺の攻撃を受けながら私を睨みます。
「天妃、貴様さえいなければこんなガキ……っ」
ほんとうに
天帝に愛されて天妃になったわけではありませんが、天妃に相応しい神気を持っていたから天妃の
「それは逆恨みというものです。私は少しのお手伝いをしているだけで、あなたなど紫紺一人でも十分なのです」
「おのれぇっ、おのれえええええええ!!」
紫紺の攻撃を受けながらも鬼のような
ああもう限界が近いのですね。まるで断末魔のよう。
「近づかないでください。
シュルリッ、ガンッ!!!!
羅紗染が
「ぅ、あ、あ……ぅ……あ…………っ」
羅紗染は
そう、寸前で私の前に
でも仕方ありませんよね。
天帝以外の
「ははうえ!」
紫紺が大慌てて私のところに駆けてきました。
天妃の
「紫紺、無事でしたか?」
「ははうえ、すごい! ははうえのちから、とってもきれいだった!!」
「あなたは強いですね。とても強くなってくれました」
「オレはもっとつよくなるぞ!」
「それは楽しみです」
いい子いい子と頭を撫でると紫紺が照れくさそうに胸を張りました。
本当に強くなりましたね。あなたを誇りに思います。
紫紺を褒めると次におんぶしている青藍が主張します。
「きゃー、あぶう、ばぶぶっ」
「ふふふ、分かっていますよ。あなたも泣かずによく頑張っています」
「あいあ〜」
青藍が嬉しそうな声を上げます。
あなたも私の背中にぎゅっとしがみついて耐えていてくれました。それだけで充分ですよ。あなたも強い赤ちゃんです。
そして私を囲んでいた
羅紗染は全身を
でも羅紗染の姿に私の警戒が強まります。
羅紗染は
その異様さに私はハッとして夜空を見上げる。
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