第二部エピローグ:未来

33.未来

 現実世界に帰った後の生活は怒涛の連続だった。

 まず、『zero』の人たちが捕まった。そして、会長である『佐伯火門』、幹部の『原田葵』『羽咲紫苑』『鈴原晴人』が大量の殺人補助で死刑に、その下の立場の手を下してない人は拘禁刑に、手を下した人は死刑になった。

 光は、時折セイジさん達がいる有限会社『ユニーク』に足を運び、その会社にいる人たちと共に様々な議論を繰り返していた。

 光、翼、久遠は相変わらず学校に行っていたが、しばらくは『metatual』、『IE』、『zero』のことについての質問責めに遭っていた。

 そして、樋口さんは、そのまま孤児院を辞めることになった。


 数年後

 光は26歳になった。

 光は、とある暗い空間におり、『無魂状態』の患者に何か機械を被せ、パソコンを操作し、刺激を与えた。

 バチっと音が鳴った数分後、患者は目を覚ました。

「……ここは?」

「調子はどうですか?」

「え、いいですけど……。私、死んだはずじゃ。」

「正式には死んでないんです。それは、後で話しますね。」

「あの、今って……。」

「あぁ、今は二千四十八年ですね。」

「四十八……!そんなに眠ってたんですか!?」

「はい。あぁ……、詳しくはあちらで説明しますから……。動けますか?」

「ええ、一応。」

 光は患者が立ち上がるのを見た後、ドアの方に向かった。

 診察室には白衣を着た久遠がいた。

「こんにちは、調子はどうですか?」

「ええ、いい感じです……。」

 そうして、診察が終わった後、患者は病室へと運ばれていった。

「ふぅ……。ちょっと疲れたわ。毎日一人だけど、話す量が多いのよね。」

「そうだね。」

 久遠はミディアムヘアにしており、光は髪を伸ばしてハーフアップにしていた。

「そういえば、翼は?」

「え?今営業に行ってるんじゃない?」

「ああ、そっか。」

 光も、翼も、久遠も、株式会社『ユニーク』に入社し、様々な尻拭いと社会貢献をした。

 光は『無魂状態』の人を目覚めさせる波長を生み出す機械を作り、久遠はその目覚めた人に説明する仕事をしていた。

 勿論、セイジさん達も現役で、仕事をしていない人や引きこもりに様々な事を学ばせる場所など、ありとあらゆる事業を開いていた。

 そして、翼はその売り込みの為に営業をしている。

「そういえば、勇気くん達はいつ目覚めさせるの?」

「それなんだけどねぇ……。全員助けた後がいいかなって……。」

「なんでよ。早く助けて、手伝って貰った方が早いじゃない。」

「それはそうなんだけど、みんな普通の人間じゃない状態で死んでるから、波長を合わせるのが難しいんだよね。少しずつ解読してるんだけどね……。」

「そう……。」

「でも。もうすぐだよ。」

「そうね。」

 勇気、陽美ちゃん、彩芽ちゃん、颯くん。

 みんな、待っててね。

 全員救って、希望溢れる世界にしてから、目覚めさせるから。

 

 

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magical in fantasy world 青海 @AOI3737

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