「俺を食え!」(これを食え!)
最後の命令に従わなかったからこそ、孫娘の思う通りにはならなかった。でもそれは、孫娘の言う通りにはなっていた。
最後の命令に従っていたら、彼は生き残っていただろうか? それは我々読者の想像に任されているわけですね。
極度に衰弱した状態で生肉(多分調理する余裕なんてない)なんて口にしたら、返って体調を悪化させていたかもしれない。消化は体力を奪うものでもあるのだから。
そう考えれば最後の命令に従わなかったからこそ、彼の命は孫娘に継がれたのかもしれない。だからこそ彼の死に顔は安らかなのだろうな、と思う次第。
涼子さんとの思い出に少々気をそそられる。孫娘さんではないが、聞いてみたかったな、と思いました。
素晴らしい短編をありがとうございました。
m(_ _)m
作者からの返信
こんにちは。コメントとレビューをありがとうございます!
本作はわたくしの原点ともいうべき作品で、いろいろと思いをめぐらせていただき、大変光栄です。
涼子は他サイトで登場しておりますので、お暇なときに覗いていただければと思います。
文鳥亮 様
作品を拝読させて頂きました。
時代のリアル感が伝わるような作品ですね。
上官の最期の望郷の思いが、小生には強く残りました。
小隊長と孫の涼子の命令は、ともにおじいちゃんのためを想って発した言葉だったのですが、それをしなかったのは、『人間の尊厳』を深く描かれていると思います。
尊厳死が政治的にも問われ始めていますが、いろいろと考えさせられる作品だと思いました。
作者からの返信
コメントとレビューをまことにありがとうございます。
別な背景や考えを持っておられる書き手さまと、当方の作品に、交叉する部分があったと分かると、うれしいですね。書いて良かったと思えます。
またどうぞよろしくお願いいたします。
編集済
涼子の言葉が小隊長からの命令を思い出させるきっかけになり、命を次世代に繋いだ勝男の満ち足りた思いが、よく伝わってきました。
おぼろげな認知しかできない今際の際にある男が、至福の感情を抱いて旅立っていく…不思議な読後感のある作品でした。読ませていただきまして、ありがとうございました!
作者からの返信
コメント、レビュー、ならびにレビューコメントを下さり、まことにありがとうございました。心温まるご評価をいだだき、書き手冥利につきる思いです。
テーマ自体はかなり重いものなので、(プロフィール欄を拝見させていただきましたが)やはりある程度年のいった方に刺さるのかなあとも思っております。
また作品でお会いいたしたいと思います。
泣きました。 文章力スゴイですね 自分の 両親は子供の頃都会に住んでて空襲 疎開 片親の死を自分が聞きました。両親は子供に軍隊の様に接していたが、今思うと戦争中 生きることに自分の祖父母は必死で両親とも安定した家庭生活が出来なかったのではと思うのです。夫婦仲悪く、不安定だった両親とは、自分は疎遠だが、
大戦の影響も関係してるのか?と思い戦後日本の精神史でググっても大したことが出ずそのままだが。私は自分の子供と関係が良い方だと思うが子供世代に不安定が連鎖せず良かったです♪長文恐縮です♪戦争話だったので、つい長文になりました。ありがとうございました。
作者からの返信
こんにちは。
こちらに返信していないことに今気づきました。大変失礼いたしました。あらためてありがとうございました。
もしかしたら、近況ノートに書き込みさせていただいたかもしれません(ご両親様が戦時中大変な思いをされたのだなと思いをはせさせてただきました、というような)。
世の中全体からその手の記憶が薄れている気がしますが、少なくとも自分は(聞いたり読んだりしただけですが)おぼえていたいなと思っております。
編集済
あ、すみません。レビューしといて応援するの忘れてました。伝えたかったことはレビューに書いてあります。
★とレビューって一番価値が高いのに、返事が書けないのがなんですよね。
それでは。
→ お、ホントだ。半年前だったんですね。その間に夏が過ぎて秋が過ぎました。残り3週間、お互いスパートかけましょう。
作者からの返信
こんにちは。
他の方のコメントに返信していたら、あれ、ここに返信していなかった? と気づきました。失礼しました。
いまさらですが、あらためてありがとうございます。
(小田島さんとやりとりするようになったのは、比較的最近だと思っていましたが、結構前だったんですね。ちょっとびっくりですw)
始めまして。気になるタイトルと一話で終わる短さが気になって読ませていただきました。序盤の詳細な人物描写に興味を抱き。この老兵は、かつて厳しい人生を歩んできたんだなとわかり。人物や戦いの繊細な描写から、作者様は歴史書や文芸書を慣れ親しみ。自然な流れで文中に馴染ませる技量を持っていることに感服いたしました。後半になると凄惨な戦いからの決断と選択を常に迫われ。其れでも、自分の意思を通した。かつての青年兵の選択に色々と考えさせられます。
作者からの返信
こんにちは。コメントありがとうございます。
深い考察をしていただき、書き手冥利に尽きます。ともすれば押されがちな文芸系ですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
こんばんは、興味深く読ませていただきました。
大岡正平さんの「野火」は人食と宗教観に踏み込んだ作品でしたが、勝男さんが助かった理由がそれとは違ったリアリズムに基づく理由だったことが、自分には合っていてほっとしました。宗教が苦手なのもあるんでしょうね……
細かいところですが、医学用語にお詳しいところも刺さりました。
後、これは先生の小説とは関係なくて恐縮なのですが、自分も「涼子」という名前が好きで彼女を主人公にした小説を執筆中なので、偶然に驚いています。異世界ものなので、リョーコ=涼子なのですけれど。
長文失礼しました、素敵な作品をありがとうございました。
作者からの返信
コメントとレビューをまことにありがとうございます。
ちなみに「先生」は辞退させてくださいw →「ぶんちょう」で。
確かに「涼子」はすごい偶然ですね。作品ができましたら是非拝読させていただきたいと思います。
結局、小隊長と孫娘、どちらの命令も聞かなかった、というところに面白味のある作品だと思います。
どちらにも「言うことを聞かない面倒くさいやつだ」と思われていそう。
『ひな鳥たちは楽園をさがす』も読みましたが、そうすると、最後の命令を下すのが涼子というところが、より因縁めいている感じがしますね。
私が読み落としていなければ、『ひな鳥』に勝男が出てくるのはちょっとだけで、特に本編には絡んでいなかったはずですが、そんな彼が孫娘に涼子と付けたというのは、いろいろ想像させるところがありますね。
作者からの返信
コメントとレビューをありがとうございます。
そこも仕掛けの部分ですが、読まれてしまいましたね。「ひな鳥」もお読みいただき、うれしい限りです(ただここに至るまでの話はまだ構想程度しかなくて、『最期の命令』も出そうか迷ったのです。が、勢いで出してしまいました‥‥‥)。
編集済
こちらを拝読するのは2回目です。レビューも書かせていただきましたが改めて読み返して思いました。勝男に象徴される生き残った兵士たちは死の瞬間まで戦争で見聞きし自らの手でおこなったことを背負い続けるのだと。涼子に象徴される、戦争を経験していない世代と勝男との対比、そして小隊長は勝男を生かすためにああいった命令をくだしたことが物語の背骨になっていると感じました。実は私の祖父も軍医として南方に従軍していたのでより物語を自分のこととして受け止めました。
この小説が発表されたことそのものが意義あると思います。厳しくも温かい感動を覚えました。
作者からの返信
こんにちは。再度のご閲読、コメントをありがとうございます。
わたくしは親の世代が戦前・戦中で、子供の頃は、プラモはゼロ戦等のレシプロ機全盛でした。隣のおじさんも従軍者だったりで、世の中にも戦記があふれていましたが、それらは平成の間にすべて姿を消し、いまや影も形もなくなってしまいました。
物語を亜咲さんのように受け止めていただいてうれしいかぎりですが、おそらくカクヨムでは少数派でしょうね。もはや理解そのものが難しくなっているかもしれません。