第28話 悪神は破壊される



アンダーソンが悪神に選ばれたのはスラム街で物心ついた頃だった。


奪われる側から奪う側へ。

悪神に贄を与える度、力を与えられ。

街を支配するに至った。



全てを支配すること、それが目的だった。

だがそれが壊されそうになっている。


悪神は文字通り悪を司り悪たる行動に祝福を与える神

その神を象る神像に祈りを与えた



具現化し、獅子の頭を象る巨大な姿、誰もが恐れるような存在がいたが。



「名も無き悪神か、雑魚だな」


突然現れた金髪の男が言った瞬間、悪神の姿が消える!


「なっな!?」


アンダーソンは突然の出来事に驚きを隠せない。


「まあ産まれたばかりの下位の神ならば支配もできるさ」


「お、お前は!?」


「なに、しがない人造人間さ」


ジョセフは笑った。



悪逆の都ゾディアックは消滅することになる。



金髪の男、ジョセフ。

王のようなカリスマを持ち、スラム街の人間達に希望を植えていった。




「なんか他の兄妹達は自由にしているようだねえ」


髪の毛をボサボサにした黒髪の灰色のローブを纏った男は気だるげな笑みを浮かべながら欠伸をする。


罪の力を持った兄妹達はまだ会うことはなくとも感知することはできる。


「めんどくさいことは嫌いだ」


欠伸をしながら黒い双剣を取り出す。


「怠惰の「スロウス」推して参る」」



だらけきった傭兵、後に大層な2つ名を呼ばれる男は、目の前の魔物の大群を尻目に剣撃をふるった





「ふむ、子供たちは楽しんでいるようだね」


ギルティは煙草を吸いながら、白衣にをたたく。村人達と別れをつげ、街道をすすむ。


「強欲、暴食、怠惰、傲慢、4人は動き始めたね」


ギルティはにこにこ笑う


「よいよい、セラ君にも聖痕は刻まれた」


ギルティはにこやかに


「私の世界の理が変わる」


そう告げた。



「本当に姉さんばかりひどいわあ」



ゴシック調の黒いドレスを着た美しい金色の髪の赤い瞳の少女は微笑む。


「別に友人に会うだけだろう」


カジュアルな男性物の黒いスーツを着た黒髪の美女が応える。


「私たちは姉妹よ、地球の神だとはいえ、あの人に会うのは姉さんだけなのは嫉妬しちゃうわ」


「好きになるのは勝手だが、あの男と私はそんな関係ではないよ」



黒髪の美女は肩をすくめる。


「神や人だとしてもよりよい異性に惹かれるものじゃない」


「身体は重ねたことはあるが、それだけだ」


「あら、嫉妬しちゃう」


「別にこれから冒険できるからいいだろう?」


「そうね、異界の旅もまたいいわ」


2人の美女はくすくす笑う







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔竜王の鍛治ダンジョン シンゴペンギン🐧 @ganjisu14

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ