この章は、冒頭から魔法のスクリーンで「真実の姿」を描いていますね。
軍師カナタは、諸葛亮のような知識や経験をもとに、ユーハイム公国とジロデ公国がエピオーネとスタニスラフに対抗するために必要な手段を提案している。
確かに強大な国に対抗するには、「三つの勢力が均衡する状態を生み出さなくてはいけない」というのが正論かもしれない。
僕は、三国志で描かれた諸葛亮が大好きです。
カナタは諸葛亮の戦略を参考にしながらも、自分の言葉で世界を変えようとする姿勢や、彼が持つ魔法の力を表している。この小説はどんな展開になるだろうか。私は次回も楽しみに読み進めたいです。
作者からの返信
神崎 小太郎様、コメントありがとうございます。
本作は基本的に大きな話になっているので、細かな暮らしは描いていません。それは『異世界孫子』のほうで書いているので、今回の結果を鑑みてこれからの作風を模索する予定です。
やはり一人称視点が書きやすくていいんですけどね。
諸葛亮は卓越した政治家であって、軍師としてはあまり評価できなかったりします。
とくに北伐をやったのも、兵法的な勝利を求めてではなく、魏から攻めこまめないために予防措置で仕掛けていた面があります。
つまり外交の一環だったわけです。
それでも諸葛亮の軍略も大きかったので、軍師が務まっていたわけですが。
あえて三すくみの状況を作り出すのですね。
古代中国の勉強もできて興味深いです。
軍師の起こり、知りませんでした。
作者からの返信
綾森れん様、コメントありがとうございます。
この時点では最も有力な案ですね。
古代中国は得意なので、語りでかなりの情報が流れてきます。
軍師はそもそも太公望が始まりで、それ以前の兵法巧者であり兵法の祖と噂されたのが三皇五帝のひとり黄帝とされています。
ですが、黄帝にしろ太公望にしろ兵法書が残っているわけではないので、現存する世界最古の兵法書『孫子の兵法』(単に『孫子』とも)が最高傑作でもあり、兵法の代名詞になっています。
ジロデ公国軍を撃退しただけでは終わらずに、その倒したジロデ公国と手を取るとは。
今回のことだけでなく、先を見据えた同盟ですね。
これで2つの大国も、迂闊に手出しできなくなったはず。
もしも奏多の提案がなかったら今回の戦の勝敗に関わらず、ユーハイム公国もジロデ公国もいずれ、大国にやられていたかもしれませんね。
作者からの返信
無月弟(無月蒼)様、コメントありがとうございます。
今回の勝ちだけで終わってしまうと、より強いエピオーネとスタニスラフが弱体化したユーハイム公国へ攻め込んでくるのは必定でした。
そこで、単に倒すのではなくジロデ公国の兵をそっくり丸抱えすれば、スタニスラフはまだしもエピオーネは牽制できます。
そのための天下三分の計ですね。ユーハイム・ジロデ同盟がエピオーネとスタニスラフの双方を相手にするには、この計略を仕掛けるのが最上と奏多は考えたわけです。
ですが、そうは問屋が卸さない。
相手が天下三分の計を知らないので、想定外の行動に出られます。
まあそこも織り込み済みではあるのですが。