死んでから売れても仕方ないと思う。
裕福な暮らしができていたなら別だけど、そうじゃないなら可哀想すぎる。
結局、忍の父は悦子さんの才能が好きだっただけで悦子さん自身には興味がなかったのかも。
作者からの返信
彩理様、コメント失礼致します。
父・傑の思惑としては、特級の画家である悦子の絵を独占して販売しないことで時価がわからないようにしてしまうことになるのです。つまり相続前提の話ですね。
おっしゃるとおりで母が死んでから作品が売れても意義がないんです。
愛のない生活で、画家とパトロンとしての関係。描いた絵はすべてパトロンである父が囲って、画家である母には最低限の給料しか出さない。
エースの丸川優子の絵はバンバン売っているので、対比になっております。
この章には、忍の繊細な心理が描かれており、心を打つものがあります。
忍の母親への深い愛情や、父親との複雑な関係、水田との対立が、繊細な筆致で表現されています。
さらに、パトロンとしての役割と画業との間の微妙なバランス、日本美術界のリアルな現状が、興味をそそる形で描かれています。母親が残した「十二星座の連作」の謎は、僕の好奇心を掻き立て、次の展開が待ち遠しくなります。
作者からの返信
神崎 小太郎様、コメントありがとうございます。
パトロンの歴史は古いですからね。売れると見込んだ画家を抱え込んで、利ざやを稼ぐ商売なので、かなり早い時期から存在していたようです。
忍くんの父親への感情は、一筋縄ではいきません。
やはり「母親を苦しめた」と理解しているので、正直になれないんですね。
そして水田神父が胡散臭いのは狙い通りです。将来的な仕事上のパートナーとなりますので、裏社会に通じている人物として配置しております。
これも、水田が裏社会に通じていないと物語が停滞するのでこういう設定にしてあります。