第2話 果てなる序章のために
第二話 果てなる序章のために
フリーマテヌの祭儀歌
はるかなる空
星々を運行に輝きをもたらす
光の種よ
満天の光る者は
死者の中よりきたる旅路において
この世の幻をもって数霊によって見える世界の法則
星よ、
星よ。
輝きの中に我らを導きたまえ
この世にある神官を召し出して
血を受けたまえりや
二十四人の長老は今は無し
しからば、我を名が君の血とならん
果てなき限り
果てはどこにあろうとも
天空の主たちに我を導きもたらせ
詩人の血を受けし
預言のたまものを
見れば認める光の汝、
喜びの知らせを教示なしたまえ
◯
国は行き交い不安も無く。どこともなく夢の果て、
しばらく教示も地上に降臨したるアマテラスたちは
受胎し、現れる
出現の日はこの地にありて、
いつか、あらわれる光の時代のために
◯
詩人たちは神殿に集められ犠牲になった。
時の初めに
時の終わりに
全てのことが起きる前に、
天空の計画が世に降りる
あなたは見たか?
この世界を通して神々の活動が起こる前ぶれを
◯
フリーマテヌは帰って来なかった。
祭儀上には血が広がっていたが、
誰もそれを手につける者はいなかった。
王はそこを訪れ
祈りを捧げ、
天空の声を聞ける人を見た
二十四人の長老はどこかにいるし、
世界に散らばるマスターたちである
フリーマテヌは死の世界に行き
限りなき星を旅している
そのような伝説が生まれた
◯
天空の神殿にあってはその秘儀を見出せる者は久しい
輝く闇を手に入れて
神智学を得た人は各々に知らせ
二十四人の長老から
一人見つかることもなくあてもなく世界のどこかにいる
創造主からアマテラスが送られ
その派遣された女神たちの存在はどこかにいる
だが、見出す者はいない
◯
神々の会議に参加するため、オリンポスをめざし登りゆく。さまざまな草木が群がり、花も美しく咲いている。どこか、暗い。そして、明るい。植物の妖精たちが歌を唄い登山者をたしなめている。影に聞こえる音はオーケストラの演奏であって、妖精たちの楽隊であった。妖精は森に住み、そして、山に住み。旅人を誘うのだ。そして一緒に暮らしましょうと、その安穏の世界に導く。
「風の音、遥か空の果てに君はいた。」
「僕たちを呼んで何をするの」
「果てに見える空の君、あなたを心が欲しいわ」
「さて、僕たちはおいとまを」
「待って」
「お待ちなさい」
「影を失っているわよ」
少年は神々の議会に参加する前に、迷ってしまったのか。その妖精界に迷い込み、その場所に住みいたった。
◯
「フリーマテヌ」
神々に招かれる者は多い、しかし、選ばれる者は少ない
試練を通して、人は鍛え上げられる。
魔法の力でもってして、試練という定めを逃れることはできないのだ。神々の議会を見たい者は多い、
その天空の神殿に行く手段は高山の先にある社の門を通らなければならない。
私は、かつてその道を通った。
今や、誘惑に負けて少年になり、永遠の遊びに埋没する。それもまた試練であり、妖精たちから教育を受けて立派な人物になることもある。何も否定的なことがあるわけでないのだ。
◯
幻想の世界に迷い込み、長老の声を聞くものもある。
マスターの声を聞きしものはその声に呼び答えよ。
◯
大地はもののけで満ちていた。その見えない災害は世界に広がり、雲隠れした。誰も、その災害なるもののけを知ることができなくなった。
フリーマテヌの光が降臨し、
供養塔を立てて祈り儀式を成しおさまったのだ。
皆、フリーマテヌを崇めたが、消えてしまった。
「あなた方の礼拝するべきお方は天であって、私ではない。数えきれない神々もまたそうであって、マスターであってさえ、その見えない天を礼拝している。あなた方は天に帰った時、あなた方はそこに、そのイデアと一体になり消化されるだろう。そうして空となることになる。」
◯
まだ、この時代に王は神聖な力が使えなかった。神々から王位を戴くと不死となる。神聖な力も内包してはいたが、それを開くにはある修行を達成し、「同会」しなければならなかった。その手段を知る王はまた少なかった。しかし、王位にある間は不死であるがために、その秘儀を探すことはできる。
◯
戦乱を抑えるために、会議がある。一度、戦乱となればおさまるのに100年を要する。魔導王たちはそれを危惧している。われわれに大事なのは世界の安定と発展である。そして調和である。しかし、人は愚かにも人の血を流す。それはわれわれの責任であり、世界の破壊は欲によって起こってしまう。一度二度の崩壊はあった。
◯
マギアは誰にでも与えられるものでない。かつて、昔々の古代の日々にマギアの開発が行われた。その時、マスターの首が捧げられそれを受ける人があった。その人は天空をも手中におさめようという野心があったため、大いなる力を得たのだった。
◯
火を発見し、それは意識をもっていた。火はあらゆるものを焼き尽くし大地を燃やした。
◯
水は一度、大地を満たし、人々の文明を無くしてしまった。
◯
「されば、世を治めるのに飽きた」
神々は安穏な生活に単調な生活に暇を覚え飽きていた。
「停滞はつまらない」
神々はそれがゆえに魔を喜んだ
たまにはいい話をしてくれる
神の人を生贄にして火で燃やし
マギアを体得する人間がいたために
魔はマギステルに支配された
魔は力となり、魔術師が誕生したのだった
◯
「フリーマテヌ」
光の人
さらば何処に行かれる
春の花を捧げます
あなたの御顔を見せておくれ
女をはべらせ時の終わりまで愛し合いましょう
影落ちる日の光に
あなたのことを思います。
ただ、好きと言ってくだされば
あなたにどこまでもついていきましょう。
王を指導し、
私たちを愛してくれる王の王
あなたの光をおしたいいたします。
あなたの口を舐めまわし
愛を教えてくださいませ
私たちは待っています
妾に慈悲を与えたまえ
フリーマテヌの書 本多裕樹 @honda8
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。フリーマテヌの書の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます