【本音ver】幽闇を灯す春を待つ

花野井あす

【本音ver】幽闇を灯す春を待つ

あれ、僕何してたんだっけ?

何のために机にかじり付いて働いていたんだっけ?


頭鈍ってて目的が思い出せないや


昼休み潰してまでマクロを組んだ理由も

やたらめったらJP1の操作方法を調べたくなった気分も

まったく分からない


時おり「基本給上げるためじゃね?」とか「ボーナス貰うためじゃね?」みたいな考えは思いつくけど


それは上司との面談で一瞬にして砕かれる


パソコン画面に表示された「変更なし」の文字と淋しいご褒美の金額で

跡形もなくやる気が消し飛ぶ


気が付けばだらだら無駄に手を動かしているだけの社畜になってるのかもしれない


いや、はじめっからそうだったかも?


なんちゃって「縁の下の力持ち」ですらなく


「とりあえずお給料貰えてるからいっかー」

のうちのひとりなのかもしれない


それでも


いつかは「君、いいじゃん!」とか言ってお給金弾んで貰えるかもしれない

職位も上がって「僕はITインフラのプロフェッショナルだ!」だとか「僕はLinuxもいじれるコンサルだ!」みたいな自己肯定感が出来るかもしれない


それだけが僕の日々の励みなんだ(たぶん)


だから「いや、そんな事あるわけ無いじゃん」な僅かな望みを実現するための努力を積み重ねるんだ


毎年訪れる翌年の上司との面談をするその日まで



※本当のタイトルは「気の迷いが報われるといいな」です。

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