第2話

大学生となった僕に最初に待ち受けた試練は友達作りだ。

高校の時はたまたま授業の内容で話す機会があり、すぐに友達が出来たが大学の場合はそうはいかない。

朝の5時に起き始発に乗って遠くの大学に向かう僕には所謂“地元”の友達はいない。

周りが全員知らない人の中で友達を作るのは中々至難の業だ。


(勇気を出せ勇気を....!このまま4年間友達が出来なかったらそれこそ青春をドブに捨てるようなものだ!!)


そう心で思っているとどうやら1週間に1度クラス別少人数での授業があるらしくこの後そのクラスで集まることになった。建物を移動して1階の指定の部屋にたどり着くと真っ先に窓際の席に座る。


ボーっと春の風が吹き窓を見ていると教室に先生が入ってきた。


「今日からこのクラスの担当になる田中です。よろしく!」


田中先生は30歳で、髪が長く身長も高く目がキリッとしておりなかなかにイケメンな先生だ。

田中先生が話しているのを聞きながら横の席を見るとこれもまたイケメンで色白な人が座っていた。


「これから1年間このクラスで過ごすわけだからみんなで自己紹介をしよう!」


先生がそう言うと前の席の人から順番に自己紹介をすることになった。


(そんなの聞いてない...)


自己紹介に失敗したらどうしよう。

いや、これは印象付けをするべきなのか?

それとも無難に終わらせるべきなのか。

悩みに悩んでいると隣のイケメンが自己紹介をする順番になった。


「どうも、佐藤大輔です!尻より胸派です!」


(マジかこいつ...)


恐らくこのクラス初めて全員の心が一致した瞬間だ。

その後も佐藤くんは自己紹介を続け気がつくと僕に話しかけてきていた。


「よろしくな!」


「う、うん!」


中々印象深い人と同じクラスになった。

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何度も、何度でも 大崎 健人 @aanoml

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