深い絆と謎が交差する書き出し

カクヨムのトップページを通じて、この作品に出会いました。多くの作品が並ぶ中、その惹句とタイトルが際立っていました。魅力的な書き出しはその予感を裏切らず、「なぜ、どうして」という疑問を呼び起こし、私の心を惹きつけました

物語の核となるのは、一見地味ながらも「生き続ける」という強さを持つ主人公の語りであるようです。その語りの中で勇者「アル」を一時的に愛称で呼ぶシーンは、書き出しで特に印象深いところです。通常の冷静な語り手から一瞬だけ抜け出る様子が、主人公と勇者との間の深い絆とクズへの怒りを感じさせます。

互いを尊重し、共に困難を乗り越える関係は、私たちの生活にも理想として存在しますが、現実はなかなかままならぬものです。

これからメリーバッドエンドに向かうであろう物語。おそらく復讐の対象となるクズたちの中には手強い者もいることが予想されますし、主人公の挫折もありうると思います。物語は現実同様ままならぬ理不尽と妨害に満ちるでしょう。その中で、理想を目指すであろう主人公の成長と勝利を見守りたいと強く感じる、そんな書き出しでした。