第19話 有名配信者


「皆様こんにちは、なずかの配信の時間です」


”こんにちはーー!!!”

”待ってました!!”

”やっと始まったーー!!”

”なずちゃん今日もかわいいね”


「今回は告知どうり、ソロで20階層以降を攻略していこうと思います」


”20階層って中層だっけ?”

”21階層からだな”

”なずちゃん大丈夫?”

”お前なずかの強さ知らないのかよ”

”この前のあれはすごかったよなw”

”あー、ミノタウロスソロで倒してたやつ?”

”そうそう、しかもだいぶ余裕あったしな”

”じゃあ今回も安心してみられるな”


「ランクBの階層でもソロでやると危険度は跳ね上がるので、進みはだいぶ遅くなるかもしれないです」


”あー、前回までの上層無双は見れなくなるのか”

”それは残念だけど、なずちゃんが危ない目にあうのはもっと悲しいから、気をつけてね!”

”彼•氏•面!!”

”彼氏じゃんwwww”


「心配してくれてありがとうございます。私も死ぬつもりはないので、安心してください」


”はぁ〜、この娘はさぁ”

”こう言う性格がいいところが滲み出してるから人気が出るんだろうなぁ〜”

”普通の配信者だったら無視するか馬鹿にするかの二択だもんな”


「それでは、早速行ってみましょう」


“Let’s go!!!”

”気にしないで見てたけどソロで中層行く配信者ってほとんどいないよな”

”まぁ、そこはなずちゃんクオリティだから”

”そうそう、気にしたら負け”

”そんなもんか”

”そんなもんよ”


40分後


「雷神の怒り」


ドーーンッッッ!!!


「ふぅ、これでこの階層も大体攻略しましたね」


”えぐっwww”

”強すぎでしょwww”

”それなwww中層の敵一撃とかやばすぎだろwww”

”このまま攻略できるんじゃない?”

”確かに、なずちゃんならいけそう”


「今日は配信時間的にも、あと一階層行ったら終わりですね」


”まぁ、流石にね”

”魔力切れとかもあるしね”

”そういえば、あの技って結局なんなの?雷神とか言ってたけど”

”あれはなずかの固有スキルで、雷魔法の上位互換らしい”

”へぇ〜、だからあんなに強いんだ”

”まぁ、普通に努力もしてるだろうけどね”

”なるほど”


「あっ魔物が、出、ま、し、た……」


”え?”

”なにあれ”

”狼?”

”中層にあんなのいたっけ?”

”少なくとも俺は見たことない”


「………」


”ちょっと待って?あれってフェンリルじゃない?”

”フェンリル?

”覚えてないのかよ!?昔Sランクパーティが一体で壊滅させられたヤバいやつだよ!!!”

”え!?あれって下層の深部で出るんじゃないの!”

”そのはずだ!!つまり、イレギュラーだ!!”

”終わったなあいつ。最近調子乗ってたからそのむくいだなwww”

”こんな時にアンチ出てくんなよ!!”

”なずちゃん逃げて!!!”


『ワオーーン!!!』


 フェンリルが叫ぶ。

 その叫び声は、それだけでなずかの戦意を失わせる迫力があった。

 もともと中層の上部をソロで攻略できるほどの実力しか有していないなずかは、圧倒的強者を前に、ただ逃げることしかできなかった。


「キャアァァァッッッ!!!!」


”誰か助けてやれよ!!

”無理だろ!!現代日本最強クラスくらいじゃないと!!”

”なずちゃん……”

”有名配信者の死に様が見れると聞いて”

”そんな場合じゃねぇんだよ!!誰か助けてやってくれ!!!”


『ワオーーン!!!!』


 もういちどそう叫び、なずかに飛びかかったフェンリルを見て、誰もが終わったと思った。

 が、その時。


「天神流 一の太刀 瞬光しゅんこう


 そう聞こえた瞬間、気づけばフェンリルの首は落ちていた。


”え?”

”は?”

”今何が起きた?”

”分からん。なんか男の声が聞こえたと思ったら次の瞬間にはフェンリルが死んでた”

”意味分かんねぇよwww”

”あ!!あいつじゃね!?さっきまでいなかった男が立ってるぞ”

”ありえねぇだろwww人にあんな動きができるとは思えん”

”お!男がこっち来るぞ!”


「大丈夫か?怪我とか」

「あっ、大丈夫です」

「そりゃ良かった」


”こいつが倒したの決定じゃん”

”速報 

 S級より強そうな冒険者現る”

”めっちゃイケメンやん”

”それな。そこら辺のモデルとかじゃ相手にならないくらいのイケメンだよな”

”♡きゅん”

”惚れてるやついるwww”

”まぁ、今のところ欠点無い有料物件だからな”


「中層ってフェンリルが出るのか?あいつはもっと強いと思うんだが」

「いえ、基本的にフェンリルは下層の深部でしか出てきません」

「じゃあなんでいるんだ?」

「イレギュラーが起こったのでしょうね」

「イレギュラー……そんなのもあるのか」

「イレギュラーを知らないって、あなた冒険者ですよね?」

「あぁごめん。つい最近なったばっかりだからまだ知らないことも多いんだ」


”ファ!?”

”この強さでなったばっかりだと!?”

”意味わからんwwww”


「え!?その強さでなったばっかりなんですか!?」

「あー……それはな、冒険者になりたすぎて死ぬほど努力したからな」

「そうですか……」


”納得できないって顔してるwww”

”まぁ、普通できないよなwww”

”こいつがおかしいだけやwww”


「まぁいいです。それと言い忘れてましたが、助けて下さりありがとうございました」

「いいよ別に、そういうタチなだけだから」

「それでも感謝の気持ちぐらいは受け取ってください」

「そうか、それならありがたく受け取っておこうか」

「そうして下さい」


”なずちゃん俺たちのこと忘れてね?”

”それなwww完璧に忘れてそう”

”このまま本名とか名乗んないかな”


「聞き忘れてたけど、入口まで送って行こうか?」

「大丈夫です。そこまで手を煩わせるつもりはないですから」

「そうか、じゃあ気をつけてな」

「はい、本当にありがとうございました」


 そう言い残して、優真は走り去っていった。


”えぐwww”

”速すぎでしょwww”

”人が出していい速度じゃないwww”

”あいつ何もんだよwww”


「あっ、そういえば名前を聞き忘れてましたね。まぁ、ギルドにいればそのうち会えますか」


 そう言って、なずかは入り口を目指して歩き出した。


 その後に配信を切っていなかったことに気づいて、独り言の数々を視聴者に弄られたのは別の話である。



  —————————————————


【感謝とお願い】


読みに来てくださった皆様、ありがとうございます!

最近テスト期間に入って更新ができなくなってしまっています。

モチベーションは回復したので、テスト期間が終わったら3日に1回は投稿できるようになると思います!

それと、初めて書く作品なので、誤字や脱字があるかもしれません、なので、もしあったらコメントをよろしくお願いします。あと、自分も初めて書く作品なのでもし「ここの話おかしいんじゃない?」とか、「ここもっとこうすべきじゃない?」と言うところもあったらでは教えてください!


そして、「話の続きがきになる!」などと思っていただけましたら、☆評価をお願いします!

それではまた次のお話で会いましょう!












 










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