第16話 親友との再会

 ピーンポーン

 

 昨日、麗奈の家でお祝いをし、そのまま家に帰ってきて寝た俺は、インターホンの音で目を覚ました。

 本当は麗奈や華恋は泊まりにするつもりだったらしいが、今日はやりたいことがあるのでやめておいた。

 

 そんなことは置いといて、こんな朝早くからいったい誰だろうか?

 そう思い、俺は急いで一階に降りて玄関にいる人をモニターで覗く。すると、そこには今日会うつもりでいた人がいた。


『朝早くからすいません、優真のことで聞きたいことがあったので』

「は〜い、今あけるね〜」


 俺は、異世界で習得した魔法『変音声ボイスチェンジ』によって、自分の声を俺の母と同じものにして返事をした。なぜこんなことをするかというと、久しぶりに会うあいつを驚かせようと思ったからだ。

 そして、俺は玄関の扉を開けた。

 するとそこには——


「よっ、久しぶりだな誠」


 ——とても驚いた表情をした親友がいた。


  ——————————————————

誠side


 俺は昨日、未だに目を覚まさない優真のためにお見舞いに行った。

 あいつは5年前の事故から目を覚まさないでいる。

 昨日も目覚めてることを祈りながら病院に行ったのだが、そこに優真はいなかった。

 病院の人に聞いた話だと、つい最近退院したそうだ。

 それを聞いた時は心臓が止まるかと思うくらい驚いた。5年も目を覚まさなかったあいつが目を覚ましたのだ、そりゃあ驚くだろう。

 

 その後俺はすぐに優真の家に行ったのだが、家には誰もいなかった。

 きっと退院祝いか何かで出かけてるんだろうと思い、昨日は一度帰ることにした。


 そして今日、俺は優真の家に来ている。

 朝早くから申し訳ないという言う気持ちもあるが、本当に優真が退院したのか気になって仕方がなかったからだ。

 そして、俺はチャイムを鳴らす。


ピーンポーン


「朝早くからすいません。優真のことで聞きたいことがあったので」

『は〜い、今あけるね〜』


 声からして優真のお母さんが出てくれたみたいである。

 すると、すぐにドアが開いた。

 だが、そこには優真のお母さんはいなかった。その変わりにいたのは——


「よっ、久しぶりだな誠」


 ——優真だった。


「え?」

「いや〜久しぶりだね、元気してた?」

「え?」

「どうした?しばらく会わないうちにえしか言えなくなったのか?」

「いやいやいや、そうじゃなくて」

「なんだ?」

「お前!!!退院してたなら教えろよ!!」


 こっちがどれだけ心配してたと思ってんだ!!


「悪い悪い、今日お前ん家に行こうと思ってたんだ」

「そうか……それでもさ、電話くらいよこせよ!!!」

「俺、携帯無い」

「そうなの……?」

「あぁ。それに、家の電話でかけるにしてもお前の番号が変わってたら嫌だったし」

「そうか、ならしょうがないな」

「あぁ、しょうがない」

「ちなみに、連絡しようとは思ったのか?」

「もちろん」


 一応、連絡をしてくれるつもりはあったみたいだ。

 なら退院したのに連絡をしてこなかったのも許してやるか。


「昨日初めて」

「ダメじゃねぇか!!!」


 前言撤回、やっぱ許さん。

 コイツッッ!!いいやつっぽさ出しときながらいきなり昨日まで忘れてたって言いやがった!!!


「お前ッッ!親友を何だと思ってんだ!!」

「友達の上位互換?」

「そうだよ!!なら忘れんなよ!!」

「ごめんごめん、テレビで猫特集見ててさ」

「俺猫に負けたの!?マジで?」

「その時見た猫がさ、ほんとに可愛くて、すっごい癒されたんだよね」

「俺の話聞けよ!!」


 コイツ……入院前と全然変わってないな。

特に、俺のことを大切にしないところとか。

 でもまぁ、それは……


「俺たち5年前と全然変わんないな」

「あぁ、そうだな」


 俺たちの間には5年と言う長い空白がある。

だが、それがあったとしても、俺と優真は親友だ。5年くらいじゃその仲は引き裂けない。


「それじゃあ、これからもよろしくな、親友」

「あぁ、そうだな」


 そう言って、俺たちはグータッチをするのだった。


 

——————————————————


優真side


 久しぶりに親友と会ったが、あいつは何も変わっちゃいなかった。

 もちろん見た目とかは多少変わっているが、根本的な性格などは何一つ変わっていなかった。

 だから、またあいつと馬鹿騒ぎしながら過ごせるようになると思うと、すごく嬉しい。


 ちなみに、誠はこの後ファミレスバイトがあるらしく帰って行った。

 あいつイケメンだしシフト入ってる時は客多くなるんだろうな……。

 本当に俺の周りは美男美女ばかりだな。ほんとに何で俺だけイケメンじゃないんだろう……、いやマジで。これだけはほんとに神様を恨みたくなる。


 はぁ……、まぁ悩んでもこればっかりはどうにもなんないからな。

 せめて一緒にいても恥ずかしく無いくらいにはしないとな。 

 

 よしっ、そうと決まれば明日は髪切りにでも行くか。入院してたせいでだいぶ伸びちゃってるからな。

 せめて髪型くらいはかっこよくしとかないとね。

 華恋が起きて来たらいい美容院聞いてみよ。


 そうして明日やることが決まった俺は、みんなが起きてくる前に朝ごはんを作っておくのだった。

 



  ——————————————————


 【感謝とお願い】


読みに来てくださった皆様、ありがとうございます!

それと、しばらくの間更新できなくてすみません!

12月28日くらいから帰省をしていて更新する暇がありませんでした!

本当にごめんなさい!

これからはできるだけ早く更新していくので、これからも何卒応援をよろしくお願いします!

あと、これは初めて書く作品なので誤字や脱字があるかもしれません、なので、もしあったらコメントをよろしくお願いします。あと、自分も初めて書く作品なのでもし「ここの話おかしいんじゃない?」とか、「ここもっとこうすべきじゃない?」と言うところもあったらでは教えてください!


最後に、「話の続きがきになる!」などと思っていただけましたら、☆評価をお願いします!

それではまた次のお話で会いましょう!


 


 


 


 


 


 

 





 


 

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