第4話 百番目の願い
きみへの願いはいつも同じ
きみがわたしのお腹にいると分かったとき
きみが産声を上げたとき
きみがはいはいをしたとき
きみが歩いたとき
きみがことばを発したとき
いつも願っていたよ
同じことを
きみが幼稚園に入学したとき
きみが一人で友だちのうちに遊びに行ったとき
きみが小学校に行ったとき
きみがそろばんに通うようになったとき
きみがサッカーを始めたとき
いつも願っていたよ
同じことを
きみが大きくなって、
もう一人でどこへでも行けるようになって、
まだうちでごはんを食べてはいるけれど
きみにはきみの世界がある
もうわたしには見ることの出来ない世界
きみへの願いはいつも同じ
元気で
ときどきは落ち込んでもいい でも
ただ 生きて、何気ない幸せを感じてくれたなら
それでいい
愛しいきみへの願いはいつも同じ
一番目も百番目も、何番目でも
笑顔でいてくれたなら それだけでいいんだ
「百番目の願い」 了
*ショートショートの連作で、10万字超の長編にいたします。
1話ごとに読み切りの形式で、次話に続きます。
毎日2回(7時、18時)更新。よろしくお願いいたします!
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