第118話 勇者の異世界デート Ⅲ
ガラガラガラガラッ!!
「オラァ! ひき殺されてぇのか! どけどけェ!」
ドサッ!
「麦20袋だ。ここに置くぜ!」
「ああぁん? 18しか無ぇじゃねぇか! テメェふざけてんのか!!」
「オーク肉安いよぉ! 一塊でたった100レアルだ!」
「KOBE肉じゃねぇのかよ! ケンタ鳥でいいや」
「親方ぁ! 空から女の子が」
「アルの実を2袋くれ!」
「はいっ! なんでも切れるこの包丁!!……」
「あの、マッチを買って……」
「痛ぇな! ぶつかって一言もなしかよ!」
「田を返せぇぇぇ」
「あ゛? やんのかコラァ!」
王都の中心街。商会や市場が集まっている一角は喧噪というか、もの凄いエネルギーが渦巻いているエリアだ。
今も暴走トラックならぬ爆走馬車が行き交い、至る所で商談や納品、売り子のかけ声や喧嘩の怒号が飛び交う、バーゲンセール真っ青の光景が繰り広げられている。
まだ日が昇ってそれほど経っていない時間にもかかわらず、だ。
そんな中を俺は茜と2人で歩いていた。
「な、なにか、その、凄いわね」
「ここは王都でも有数の商業区画だし、今は復興やら何やらで多くの人が王都に出入りしてるからな。前にも来たことがあるけど、その時よりも活気があるぞ」
良く言えば活気に満ちた、悪く言えば粗雑なところだけど、こんな命の営みがむき出しになった光景を俺は割と気に入っている。日本で生活していたらまず目にすることなんて無いからな。
茜に王都を案内することにした俺は、まずここから見てもらうのが一番良いと思い、連れてきたのだ。
王都はその広さもあっていくつもの商業区画がある。その中でもここは比較的王城にも近く、治安も悪くないらしい。
とはいえ、
「おっと!」
「きゃっ」
「うぉっ! っ痛てててて、クソッ、離せ! うぎゃぁぁ!!」」
こういう
俺は茜の背後からバッグを掴もうとした男の腕を捻り挙げ、そのままへし折る。
「ゆ、裕哉、やり過ぎじゃ」
それを見た茜が慌てるが、こんなのは優しいほうだ。
ほら、男が何をしようとしたか店先で見ていたおばちゃんが棍棒でタコ殴りにしてる。しかも足を真っ先にぶん殴って逃げられないようにしてからだ。
現代日本と比べて遙かに危険なこの世界は、その分犯罪者にはひどく厳しい。それを許せばいつ自分たちがその被害に見舞われるかわからないからだ。
スリや引ったくり程度でも捕まれば半殺しで衛兵に引き渡されて、強制的に治療された挙げ句、罰を受ける。治療費と罰金を払えなければ払いきるまで強制労働だ。
殺人に至っては情状を酌量する余地がなければ確実に死刑。盗賊も人を殺したことがあるかどうかにかかわらず死刑か終身の強制重労働となっている。
今は復興絡みでどこも人手不足。物価も高騰しているのは確かだが、贅沢を言わなければ仕事にありつくのは難しくないらしい。
にもかかわらず、罪を犯す人間ってのは余程特殊な事情があるか、根っからのクズかのどちらかというわけだ。
もちろん逃げられたら逆に仕返しの対象になりかねないから一般人は本当にヤバそうな連中には関わろうとしないけどな。
とはいえ、茜には刺激が強すぎるか。
ボロ雑巾になった男が衛兵に文字通り引きずられていくのを唖然として見ていた茜の手を引きながらその場を離れる。
やっぱり俺は価値観というか認識というか、がずれてしまっているらしい。考えてみれば腕を掴んで即折るなんて普通はしない。法律的にもかなりグレーだろう。
日本にいるときには気を付けているんだけど、こっちに来ると戻ってしまう。こんなんじゃダメだな。
「日本と比べると良くも悪くも活気があるからな。それよりまずは何かつまみながら色々見てみようか」
雰囲気を変えるように誤魔化す俺に茜もぎこちなくも乗ってきてくれた。
「そ、そうね。うん。なんていうか、こういうのも新鮮、かも」
まだ朝といっても良いような時間だけど、既にこの辺りにはいくつもの屋台が並んでいる。
王都に住む労働者はこういった商業区画の屋台で朝食を済ませて仕事に行く奴が多いのだ。まぁ、ほとんどは独り身の連中だけどな。
なので、屋台で売られているのは串焼きの肉やナンやパンとかに具を挟んだものが多い。
俺は分厚い肉が挟まれたフランスパンのようなものを、茜は白身魚と野菜を巻いたクレープのようなものをそれぞれ買って、囓りながら歩く。
何か、お祭りの屋台巡りのような雰囲気だ。ある意味大学生らしい。と、思う。
「朝からよくそんなの食べられるわね。って、まだ買うの?!」
あっという間に食べ終わった俺は子供の腕くらいの長さの串に申し訳程度の野菜と大量の肉が刺さった串焼きを追加で買う。
見ると茜は自分のクレープを3口くらい食べただけだ。
「こっちの連中は沢山喰うからな。俺もだけど」
「見てるだけでお腹いっぱいになってきた。……食べる?」
苦笑いで差しだしたクレープを受け取り、茜が口を付けたところを最初に囓る。
真っ赤な顔して叩かれた。まぁ、わざとだけど。
「でもいろんなものがあるのね。食べ物もそれ以外も見たことのない物ばっかり」
「そりゃそうだ。文化的に俺たちの世界とは交流がないからな。とはいえ人が生活するのに必要なものはある程度共通してるから、似たような物も沢山あるぞ」
そう言ってザルとか鍋とかの生活用品を売っている店を指す。
買い物好きな茜としては気になる物がいっぱいあるんだろう。売られている物を興味深げに見たり手に取ったりしている。
見学が遅々として進まないが、別に時間はたっぷりあるからな。俺も一緒になって見たり、説明したり、店の人に聞いたりしてみる。
以前、亜由美を連れて王都を回ったことがあったけど、その時はまだ帝国との戦争が終わったばかりでこれほど活気がなかったから、割と新鮮な気分だ。
勇者として動いていたときにはそんな余裕もなかったしな。
それにこういうのってなんか、普通のデートっぽくね?
食品や生活用品を売っている店が多いエリアを過ぎる次は衣料品や生地を扱う店が建ち並んでいる。ここら辺になるとと多少は通りの人も少なくなってくる。
それと反比例するように茜のテンションが上がる。
服見るの好きだからなぁコイツ。
ただ、こっちの世界だと日本などとは違って既製服ってのはあんまり種類がない。
昔のヨーロッパと同じで一般の家庭では服は自分達で作るのが主流で、作れない人は種類の少ない既製服を買うか仕立てるか、それとも古着を買うかだ。
裕福な家では仕立てることも多いらしいが、貴族でもなければ全ての衣類を仕立てるなんてことはまず無い。
なので、こちらの世界で服屋といえば仕立ても既製服も生地も全部置いてある店が大部分なのだ。
店の前にはその店で作った既製服や仕立て見本が並び、店内は生地や糸、裁縫道具が積まれ、奥は商談や採寸なんかをするスペースがあるというのが典型的な服屋の形らしい。
そして、こちらの世界の服は高い!
ちなみにこの国の通貨単位と物価だが、単位はレアルで一般的な4人家族で月に食費は平均1万レアルほど掛かる。王都と地方、季節によってもかなり変動があるので単純に比較はできないが、日本の4人家族の平均的な食費が10万円くらいなので、食費に関してだけでいえば1レアル10円ほどだろうか。
下級役人の平均所得が月に2万レアルなので想像はし易いだろう。けど、服は既製服で最低でも上下2万レアルくらいはする。肌着でも千~2千レアル。生地なら物にもよるがその半額程度だ。
つまり既製服で最低20万円、生地でも1着分10万円。とても一般人が気軽に買えるようなものじゃない。
地球でも手織の生地で服を作ればそれ以上の値段になると聞いたことがあるし、熟練の機織り職人でも月に織れる布は3~4着分くらい(素材や糸の太さ、織り柄などによるけど)らしいから金額としては決して高いわけじゃない。
だから基本的に服は家で女性が生地から作るし、破れても自分たちで直す。少々褪せたり汚れたりした程度じゃ気にもしない。
同時に既製服は確実に売れるであろう色、柄、生地で作られた地味目の物が大半だ。自動織機が発明されるまではこの状況は変わらないだろう。
そして当然俺はこの世界で産業革命を起こすつもりは無い。
なので茜にとっては物足らないお店だと思っていたのだけど。
「わぁ~、この柄も可愛い~。こっちのは手触りが凄く良いし」
「お、おい、茜? 生地見てどうすんだ? まさか自分で作るのか?」
高校時代に俺の制服のボタン付けをしてくれたんだが背中側の布ごと縫い付けて着られなくなったことがあるぞ。その時に二度と裁縫なんてやらないとか言ってた気がするんだが。その時に自棄になった茜にケーキバイキング奢らされて泣いた覚えがある。
「む、無理無理無理、できるわけ無いじゃない。私にそんな女の子スキルなんてあるわけ……」
いや、自分で言って落ち込むなよ。
「奈っちゃんがね、お裁縫とか得意で、趣味で自分の服とか作ったりしてるんだって。それを私が羨ましがったら気に入った生地とかあったら作ってくれるって約束してくれたの。もちろんお礼はするつもりだけど、生地見てたら良いなぁって」
なるほど。
「さすが奈々ちゃん、女子力高ぇな。生地の善し悪しなんかはわからんが、そういうことなら奈々ちゃんの分も含めていくつか買ったらどうだ? 必要な材料費は別として、彼女の性格ならあんまりビジネスライクに現金でお礼するよりそのほうが気を使わないで済むんじゃないか?」
「いいの?! でも見るからに高そうなんだけど……」
「別にかまわないって。前にも言ったけど、ある程度はこっちでお金を使わないといけないから、職人だって売れなきゃ困るんだし。あ、けど、念のために
さすがに魔獣素材は困る。ただでさえ警察と海保(&公安)に身バレしてるんだ。そんなものが流出して別の国家機関とかに目を付けられたくないし。
………………
変な提案するんじゃなかった。
あれから1時間以上は経ちました。
まだ茜は生地を見ています。
大方の予想通り、なかなか決まらない。
自分のせいですね。はい。
「お~い、そろそろ決めてくれぇ~」
「あ、ご、ごめん裕哉。もうちょっとだけ待って。えっと、それじゃこれと、ああ、でもこっちも……」
待ち疲れた俺の催促に茜は慌てて引っ張り出していた布地の多くを元の場所に戻す。が、それでもいくつかは選びきれずに残っていた。
仕方がないのでそれを全て買い取ることにした。
惚れた欲目かもしれないが、茜は美点が多くて欠点は少ないんだけど、この買い物の長さだけはどうにも困るのだ。
かといって女性の買い物に文句をつけるほど命知らずにはなれない。
古狸が過去に女友達の買い物に付き合わされて一日引っ張り回された挙げ句、何も買わなかった彼女にちょっぴり苦言を呈したところ、仲間内にあること無いこと吹聴されて大変な目にあったそうだ。
となればこういうときは黙って『全部買う』というお大尽なことをするしかない。
日本じゃ絶対に無理だけどな。こっちの世界なら経済的に結構な余裕があるのでなんとかなる。
「ゴメンね裕哉。その、いいの?」
そう聞きながらも茜は嬉しそうな笑顔だ。
まぁこんな顔が見れるなら良いか。
……一応口止めはしておこう。レイリアとか亜由美に知られると際限なく集られる気がする。
茜も満足したのか、それからはちょっと店先を覗く程度でそれほど欲しがるような素振りは見せず、衣料品の店が並ぶエリアを通過した。
ここから先は武器や防具、馬具などを扱う店や魔法具を扱う店が並ぶ。
俺が案内したかったのもここだ。
武器や防具はともかく、魔法で効果を及ぼしたり動作したりする魔法具は、日本では目にする機会があるわけがない。
茜にとってはこれ以上ない異世界物産だろう。
といっても迂闊に買って帰るわけにもいかない物が多いけどな。
「裕哉が作ってくれたこのネックレスも、その、魔法具? なんだよね?」
「まあな。魔法具ってのは素材に魔法陣を刻んでそれを媒介にして魔法を具現化する道具全般を指すんだけど、いろんな種類があってな。魔法陣を弄れば色々なオリジナルの物を作れるのもあって作り手が好き勝手に開発するんだよ」
なので全ての種類の魔法具を知ってる奴なんて誰もいないし、無名の魔法付与師であっても面白い魔法具を作ってる人も沢山いる。
そういったのを探すのはこっちの世界にいるときの数少ない楽しみのひとつだった。
周囲を行き交う人の様相もこれまでとは違い、厳つい冒険者や魔術師が多く、一般的な人たちはあまり多くない。
魔法具は便利だがかなり高価だし、武器や防具を日常的に買う人は普通の王都民じゃないからな。
俺には馴染みの雰囲気だけど、茜は先程までの喧噪とは違う雰囲気が不安だったらしい。俺の腕を抱え込むようにしがみついてきた。
モニュ。
なかなか素敵な感触です。ごちそうさまです。
「よぉ兄さん、見せつけてくれるじゃねぇか」
せっかくの俺の楽しみを邪魔する台詞を投げつけながら、目の前を冒険者らしい格好をした5人組のむさ苦しくて汗臭そうな男たちが塞ぐ。
……一瞬俺の脳裏に“テンプレ、テンプレ”と歌いながら無表情で踊る亜由美が見えたんだが。気のせいだろうか。
「何か用か? 真っ昼間から面倒なのは嫌なんだけどな」
「いやぁ、俺たち最近ツイてなくてよ。是非とも兄さんにあやかりたくてな。ちょ~っと俺たちにも良い思いさせてくれよ」
ホントに亜由美が大喜びしそうな連中だな。
茜は怖いのだろう、腕にしがみついている力が強くなる。
「他を当たってくれ。こっちも忙しいんでな」
「そういわねぇで、よっ!」
ニヤニヤ笑いながら言う、途中で俺の腹を目掛けて蹴りを飛ばしてくる。
やっぱ、日本のチンピラなんかとは違い、攻撃の躊躇の無さと鋭さは日々荒事が身近な異世界の連中だ。まだぬるいけどな。
俺は前蹴りを瞬時に強化した拳で叩き潰す。
「ぐあぁっ!」
足首がおかしな方向に曲がった男が蹲り、悲鳴をかみ殺しながら睨み付けてくる。この辺もさすがだな。
「てめぇ!」
すぐに臨戦態勢になる残りの4人。といっても全員武器は手にしていない。というのも王都の中では衛兵や騎士以外の武器の携行は許されていない。
冒険者や傭兵、護衛であっても武器は王都に入る時に全て布でくるみ、必要と認められるとき以外は持ち歩くことができないからだ。
武器屋で武器を買っても店の外に出るときは大きな布でグルグル巻きにしてすぐに使用することができないようにする。往来で武器を抜くどころか、すぐに抜ける状態で持ち歩いた時点で問答無用で衛兵に捕まってしまうのだ。
無言で左から殴りかかってきた男の拳を外側に弾き、掌底で顎を打ち抜く。ついでに片足を潰されながらも何かを狙っていたらしい男の顔面を蹴り飛ばし意識を飛ばしておく。
「きゃぁぁ! って、あ、あれ?」
俺にしがみついていた茜に俺の逆側から掴みかかった男は、茜が悲鳴を上げるとほぼ同時に崩れ落ちた。茜に渡した魔法具の効果である。
実は茜や家族に渡している俺自作のアクセサリー型魔法具は、数度のバージョンアップが成されている。
ミスリルや希少な素材を惜しみなく使い、安全を守るためにいくつもの魔法が付与されているのだが、やはり日本であまり目立つ効果を発揮するわけにはいかない。
なので、いくつかの試作を重ねた結果、一定以上の速度で接近する物体に対しては皮膚の外側から5センチの空間に障壁を最小限の範囲で展開させ、悪意を持って触れようとした者に対しては限界まで魔力を吸収してしまうように設定したのだ。
こちらの世界の生き物と同じく、地球の生き物も内部に魔力を内包していてそれが枯渇すると気絶してしまうのだ。こちらの世界と異なり魔力を使用する機会が無いので自覚することがないだけだ。
これなら万が一人に見られても触ろうとした人が突然気絶するだけなので、不審に思われることはあっても問題にはならない、と思う。
「な、ななな、なんだよ、アンタら」
残るふたりが唖然としてこちらを見る。
さすがに一瞬で3人がやられれば実力差は理解できるらしく、それ以上襲いかかる気はなさそうだ。
「そこで何をしている! 全員動くな!!」
誰かが呼んだのか、衛兵が走り寄ってきた。
踵を返して逃げようとした男たちの足をローキックで刈り取る。
倒れたところを衛兵に取り押さえられた。
「そちらも動くな!」
衛兵は俺たちに対しても厳しい声でそう警告するが、まぁ、別に抵抗するつもりはないので大人しくしておく。
ついでに茜を安心させるために腰に手を回し、抱き寄せつつどさくさに紛れてお尻をナデナデ。
……足を踏まれました。
あっという間に4人の衛兵に囲まれる。
「事情を聞かせてもら…ゆ、勇者殿?!」
あ、バレた。
衛兵の一人が俺の顔をみて驚きの声を挙げ、他の衛兵も一斉に俺を見る。
ついでに取り押さえられていた男たちも愕然とした表情だ。顔色は一瞬で真っ青になってるし。
「あ~、今は俺のことはいいから、えっと、俺たちが歩いていたらそこの連中に絡まれたので排除した。というわけなので…」
ごく簡潔に事情を説明する。
「了解致しました! とりあえずコイツらは死罪にするように連絡しておきますので」
「いやいやいやいや、ちょっと待とうか! なんでそうなる?!」
なにその恐怖政治?!
こっちに実害は無いんだし、普通なら余罪がないか調べて、無ければ罰金か強制労働でしょ?
「いえ! 救国の英雄であるカシャーギー侯爵に対し、無礼な振る舞いをするなど万死に値します! 王都の者で反対する者など一人たりともおりません!」
いや、言いきるなよ!
国王陛下差し置いて俺が暴君みたいじゃんか!
「と、とにかく、あくまで一般人に対する犯罪の処罰で良いから! 俺の立場とかそんなのは絶対に考慮しないように! いいね?! 頼むから!!」
「……わかりました」
何故そんなに間を開ける。
「それで、侯爵閣下は何故このような場所に?」
「少し時間ができたから家族に王都を案内しようと思って」
茜、家族って言っちゃったけど良いよな?
「そうでございましたか。閣下ならば問題ないとは思いますが、最近は様々な土地から人が王都に集まっております。中にはあまり素行の良くない者も混ざっているようなのでくれぐれもお気をつけください」
「ありがとうございます。ところで…」
「は。何か?」
「侯爵閣下って、何?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます