輝かしき日
昼夜朝
在りし日
─────夏、インターハイ。
辛く苦しい3年間の日々を仲間と乗り越えてきた。
時に喜び合い、時に喧嘩し流した汗、涙を拭い研鑽してきた日々。
その集大成。
この全国大会の前にも各地域の予選で数多の高校が敗れ、その思いを託された各代表のチームがこの場に揃う。
見慣れた天井ではない、遥か高く、明るい天井。大勢のギャラリー。独特の雰囲気や匂いがそこにはあった。
─────バレーボール。
縦18m横9mのコート上でボールを落としてはいけない。
持ってはいけない。
3回以上触ってはいけない。
細かなルールは他にもあれど、この条件下で点を取りあう。
サーブ、レシーブ、トス、スパイク。
このシンプルだからこそ奥が深く、プレーをする人たちは辛くも皆、良い顔をする。
観客もその1つ1つのプレーに歓声を上げる。
頂点は一つのみ。
それを目指し、コートに立つ資格ある者は今日もまたプレーをする。
1分1秒でも長く、
仲間とバレーをするために。
仲間と喜びたいために。
仲間と1つの目標のために。
あぁ─神よ、この楽しい時間を終わらせないでくれ。
それでも無慈悲に終わりが近づいてくる。
ギャラリーからの歓声はもう何も届かない。
聞こえるのは自分の鼓動、コートを踏む足の音、そして仲間の声。
練習した日々、技術、筋力、思考そのすべてが今このコートにある。
今日、そして明日もバレーボールをするために繋ぎ続ける。
それでも必ずボールは落ちる。
笛が鳴った。
仲間が肩を抱いた。
これでようやく終わったのだと自覚した。
ギャラリーからは拍手があった。
泣いても笑ても最後の大会。
勝者でも敗者でも。
その拍手こそが自分たちが此処にいた
輝かしき日 昼夜朝 @hiruya_asa
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