星屑の夢
十六夜 水明
第1話
とある建物の屋上。
私だけの秘密の場所。
そこからは見下ろす街も、見上げる月や星も、私が日々神経をすり減らしながら惰性で生きている世界と同じとは到底思えないほど綺麗に映った。
だから私はここにいる時間が大好きだった。
どんなに冷たく汚い世界でも、ここから見れば美しく見えたから。
だからこそ思う。
『私の居場所はここだ』ということを。
帰りたくない。
私の居場所が無い場所へなんて。
私しか知らない、私だけの居場所。
ここに、ただ溶け行くように感じるのは、何故なのだろうか。
私という存在が消えていくように感じるのは、何故だろうか。
そして、いつものように私は、キラキラとした星空を惜しみながら、瞳に目蓋を被せるのだった。
星屑の夢 十六夜 水明 @chinoki
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