第11話 マッサージとお漏らしと女の子の味
「あ、私、マッサージ得意なんですよ。話すのはあまり得意ではないんですけど。」
その割には出会ってからの時間で、言葉を発してるのは湯女の方が多いと思ってる浪漫である。
それでも、初出勤という事もあり、がんばってるんだなというのは充分に伝わっていた。
「あ、せっかくなのでお願いします。えっちな……マッサージじゃなくて普通のマッサージですよね?」
尤も、プレイ自体がえっちなマッサージな気がしない浪漫ではある。
心菜にも翼にも散々身体の至る所を触れられ口付けられているわけであり、ある意味では既に開発中といったところだろうか。
これまでの様々なプレイをえっちなマッサージと称する事も出来なくはない。
「心配しないでください。普通のマッサージです。家でも弟やお父さんにしてますので。一応下手と言われた事はないので、特技と言っても良いのかなと個人的には思ってます。」
丁寧な言葉で会話をしているが、浪漫と湯女は同い年の20歳である。
客とキャストという立場である以上、プレイ内容が特殊でなければ当然の事でもあった。
「あぁっ、ふぁっ。えっ、あっ。だ、だめっ。そんにゃっ、あぅっ。だ、だめだってっ。」
「声は我慢しなくて良いんですよ?気持ち良い時には素直に言葉にしませんと。痛い時は痛い、気持ち良い時は気持ち良いとはっきりおっしゃいませんよ。」
浪漫が肩を解されて気持ちが良いのは事実である。
それは浪漫の蕩けた表情を見れば明らかである。
後ろから肩を揉んでる湯女にもそれは伝わっていた。
横顔、というよりは悶えて身体全体をくねらせて逃げようともする仕草を見れば一目瞭然である。
バシャバシャと弾ける湯船のお湯が、湯女の顔にもかかっている。
「あぁぁぁぁっ、あっもうだっめっ。で、で……」
イクではなく出……である。
つまりは、気持ち良い時に出る分泌液ではなく、暴行が決壊を起こしたという事である。
飲酒をしていないとはいえ、美味しいジュースは戴いていた。
普段は2杯も3杯も飲む事はないのだが、美味しい美味しいとお変わりをしていたのであった。
「ごめんなさい。」
謝罪の言葉を放ったのは湯女ではなく浪漫である。
「お酒は飲んでないけど、さっき結構飲食してたから……」
「気にしなくても良いんですよ。女性は近いですからね、絶頂と共に出ちゃうって人も少なくはないと聞きますし。」
聞きますしというのがまたミソであり、湯女の実体験や直接みたものではないというものである。
浪漫はマッサージの気持ち良さからある部分が緩んでしまったのである。
男性であれば力を籠めれば止める事が出来るのだが、女性は止める事は出来ない。
膀胱の位置も外に近いし、その大きさも男性に比べれば女性の方が小さい。
あくまで一般論ではあっても、その事実は変えようがない。
男性に比べたら尿漏れいうのは女性の方が多い。
性交に及ぶ際、入浴してからという女性の意見は素直に聞いた方が良いのである。
尤も、男性のそれも一日生活をした状態では中々の異臭を放つ。
イメージのためにも、清潔のためにも、性交の前に入浴を済ませるのはある意味ではエチケットである。
創造・創作の話ではあるが、漫画やアニメ、ゲームやドラマ等において、1日生活をしたままで性行為をする人達の神経はある意味凄い。
「マッサージ続けます?変な意味ではなく。私をもっと知ってもらいたいと思いますし。」
マッサージ自体は充分に良かったと思っていた浪漫は、首を縦に振るしかなかった。
ベッドにタオルを敷布団代わりに敷くと、うつ伏せになって浪漫は枕を抱きしめ顔を横に向けた。
「実際マロンさんはあちこち凝ってましたからね、これはマッサージのしがいがあります。」
飲食の後という事もあり、浪漫はお腹を庇いたい思いがあったのだが、その考えは色々吹っ飛んでいた。
湯女の指圧が想像以上に良く、ちゃんとしたマッサージ店で受けているような感覚に陥っていたのだ。
そして今は風俗店でのプレイ中。
万一気持ち良くなっても、なんら恥ずべき事はない。
「マロンさんは学生ですよね、実は私も大学生なんですけど、マロンさんの学校はどんなところです?」
浪漫の肩甲骨のあたりまである綺麗な銀髪は、ホテル備え付けのヘアゴムで整え纏められていた。
湯女は浪漫の綺麗な髪を時折見やり、玉のような綺麗な背中や肩へ指圧を続けながら話を続ける。
「んんっ、わ、私の大学は女子大……でっ、和裁や洋裁を習ってるのっ。」
指圧の気持ち良さ(別に性的ではない。)に耐えながら返答していた。
マッサージは誰がやっても気持ち良いモノである。
指圧の力加減を除けば、若い女性から受けるのは大抵の人が良いイメージを抱くだろう。
実際のところは、年輩女性、年輩男性、若年男性、若年女性の順に力加減や気遣いを含めた総合的な施術ランキングとなるだろうけれど。
受けるのが男性であれば、どんな相手に施術をされても、つい下半身が反応してしまうかもしれない。
それほど、マッサージというのは気持ちいいものである。
筋肉と緊張がほぐれるのだ、無意識に身体が反応するのは仕方がない。
浪漫は自分が女子大で裁縫をメインに学んでいる事、漫画研究会に所属している事、女性専門のメイド喫茶で働いている事もポロリと漏らしていた。
あまり個人情報を喋るのは良いわけではないが、他愛のない世間話としてお互いに語り合っていた。
流石に店名や大学名は出していない、湯女も自分の大学名や学部までは出していない。
「大学に通って、お店でお金を稼いで、趣味で温泉いったりマッサージしたりって凄いですね。」
「あ、際どい所も指圧しますけど……」
浪漫は首をどちらにも動かさなかった。
「下に敷いたタオルがびしょびしょですね。」
茶色のタオルは、部分的にこげ茶色のタオルに変色していた。
「ゆ、湯女さんの
なお、湯女は浪漫の秘所などには指を入れたりはしていない。
際どい部分を解したりはしていたが、直接は何もしていなかった。
尻の肉を解すと気持ち良いのは男女共通で、性器も近いからか余計に感じるものがあるのかもしれない。
「どうです?表側もマッサージします?」
「それはちょっと恥ずかしいかも?」
「そうですか?私も小さいですから人に見せるのは勇気がいりますけど、可愛いですよ?」
湯女は濡れたタオルを畳んでテーブルの上に置くと、肯定の返事もないのに綺麗なタオルをセッティングする。
後ろ側のマッサージであれだけ気持ち良かったのだ、恥ずかしいところ満載な表側を解されたらどうなってしまうのか……浪漫は想像しただけでも羞恥で一杯になる。
「お、おねがいしま……ひゃっ」
最後まで言い切るまえに、湯女は甘食の頂上に聳える突起へと唇を付ける。
その後、ちゃんとしたマッサージ(表側)を行った湯女は、反応に反応を繰り返した甘食の頂上の苺の粒を見てさらなる提案を促す。
「今度はお互いに気持ち良くなりませんか?」
湯女の表情は何処か艶めかしく、同年代の女性というよりは妖艶な幼稚園の先生といった感じであった。
「延長……」
既に120分が近付いていたため、浪漫は時間を気にしていた。
「大丈夫ですよ、事後払いで後程エリスさんから頂ける約束になってますから。」
全てに於いて用意周到な先輩メイド・エリスであった。
それだけエリスの信用度が高いという表れでもある。
どちらの声かはわからないが、隣の部屋からの声が薄っすらと浪漫と湯女の耳にも入っている。
「あちらもまだ終わりそうにありませんし。」
「ここから先は大人のマッサージ……ですね。」
最初感じた大人しそうなイメージや、自身が語っていた話すのが苦手というのはどこへやら。
積極的な湯女の行動に流されるまま、浪漫は大人のマッサージへと没入していく。
浪漫は過去2回は責められるだけ責められて終わっている。
この日初めて女の子の味を知った。
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