「赤」「青」「白」
刺すように冷たく鋭い赤。囲まれて、切り裂くような言葉を浴びせられ、ばたばたと零れ落ちるのは実体は無いけれど自身の一部だと思った。
暖かく柔らかく包み込むような青。安心感が降り注ぐ。しとしと、絶えず奏でられる音は赦しを与えるように体を洗い流す。
右も左も前も後ろも分からなくなる闇のような白。眩く、瞬き、弾けてしまいそうになる。ばちばちと星が舞う。指先から零れた欠片は溶けて消えるように旅立って行く。
何も無かった。非難も鼓舞も、嘆きも愛も、怒りも喜びも。流れているべきであろう血も、必要な分の水も。何もかもがなかった。あるのは空っぽなような器だけ。皮を繋いで骨組みを覆った形だけ。
自分はどうしてここにいるのだろう。
自分はなにをしていたのだっけ。
自分は一体何なんだろう。
考えさえも浮かんでは消え、真っ白で眩い暗闇に飲まれていく。
ただただ、そこに在る。在るだけだった。
「ならば意味をあげよう。使命を、想いを、それから、」
知らない声だった。それを皮切りに、濁流のように何かが流れ込み、からからと何かが落ちる音がした。
それきりだった。その音が何度か聞こえるうちに、意識さえ蕩け、空間に散っていく。
「君という設定を。」
この声は、"君"には届かない。
友人に単語を適当に貰って書いたやつ。 呼京 @kokyo1123
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