13話:4匹の小さな雫達
「コイツ等は『
狐の美少年:
大きさは
それが4匹。
この“匹”という単位が相応しいかどうかも
十人十色ならぬ四匹四色な4匹を前に、
「赤いのが『火の雫』、青いのが『水の雫』、緑が『草の雫』で、黄色いのが『雷の雫』だ。雫達は1000階旅館の色んな仕事をしてて、お前よりよっぽど働き者だぞ」とのこと。
そんな怠け者こと
「人間が来たぞす(火)」
「コハクより大きいぞす(水)」
「何者ぞす?(草)」
「何しに来たぞす?(雷)」
(しゃ、喋ってる……まぁ今更か)
白蛇やカピバラが喋る
今更何が喋っても大した驚きは無く、
「えっと、はじめまして。俺は
「どうするぞす?(火)」火の雫が左隣を見て、
「どうするぞす?(水)」水の雫が左隣を見て、
「どうするぞす?(草)」草の雫が左隣を見て、
「どうするぞす? ――あ、ボクの横には誰も居ないぞす(雷)」
ボケなのか本気なのか、無人の隣を見た雷の雫。
そんな雷の雫を見かねて、火の雫が「ぴょんッ」と果物籠の縁に立つ。
「この
「
「ヒントはあげないぞす。さぁ人間よ、この超難問にうんうんと沢山頭を悩ませるがいいぞす(火)」
「え~っと……多分だけど、甘々粉ってのは“砂糖”のことでいいのかな」
「「「ッ!?」」(全員)」
雷に打たれた、とは正にこの事。
いきなり正解を出された為か、驚いた衝撃で雷の雫が「ビリリッ」と“放電”。
周囲に小さな電撃を撒き散らし、その放電を受けた3匹が跳び上がって、そのまま「きゅ~」と儚い声を出しながら倒れた。
これに動揺したのは、放電した張本人:雷の雫だ。
「あわわわっ、大変ぞす。またやってしまったぞす~ッ(雷)」
「え、おい、大丈夫か? ――
「そんなに焦らなくても大丈夫だ。砂糖を舐めさせたらすぐに起きる」
「あ、そうなんだ? とにかく砂糖だね」
勝手のわからぬ
テーブル並んだラックの中から
粒のサイズ的には恐らく砂糖で、念の為にちょっと舐めてみるも「甘い」。
塩と砂糖を間違えるような古典的なミスはせず、彼は倒れた雫達にその砂糖を舐めさせた。
――――――――
――――
――
―
「た、助かったぞす(火)」
「ビリビリしたぞす(水)」
「
「みんな無事で良かったぞす~(雷)」
気絶した雫達に砂糖を舐めさせたら、小さな身体がムクリと起き上がった。
ホッと胸を撫でおろす
先ほど「またやってしまったぞす~ッ」と慌てていたので、どうやらこれが初めてという訳でもないらしい。
(雷の雫はドジっ子なのか? あまり吃驚させない方が良さそうだな)
そんな内心を覚える
「助けてくれたお礼に、“キュー”を手伝ってあげるぞす(火)」
「「「賛成ぞす~!!(水・草・雷)」」」
と他3匹も賛同しているが、流石に聞き返さない訳にもいかない。
「キューって何? もしかして俺のこと?」
「もしかしなくてもそうぞす? キューはさっき、キューって名乗ったぞす(火)」
「いやいや、名乗ってないよ。俺の名前は
「それはぼくも聞いたぞす。でもでも、アサギリキュ―だと長いぞす」水の雫も会話に参戦。
「うん。短く呼ぶのは別にいいんだけどさ、キューじゃなくて“きゆう”だよ」
「……キュー?(草)」草の雫が首を傾げ。
「き・ゆ・う」と
「キュー?(雷)」雷の雫まで首をかしげる。
「いや、だからね。俺の名前は――」
「キュー!!(全員)」
「……うん、まぁいいか」
そして雫達4匹の前では「
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