第6話 チャラ神様の作った世界
チャラ神との邂逅から二日。
PCもタブレットもスマホも開けるし何故か検索も出来るけど、誰かに繋がる事は全くなく、ついに俺は元の世界と連絡を取る事を諦めた。
諦めが早い?しょうがないじゃん。うっかりチャラ神の記憶覗いたら地球の生物との縁切りされてたんだから。ホンモノの神様の縁切りだよ?たかがイチ人間が太刀打ち出来る訳ないし。
「あーあ・・・」
こっち来てから何度目になる溜め息か。
ソファに寝転んで視線をずらせば窓から見える青い空。
俺が塗った、綺麗な青空だ。
気分は絶賛どん曇りの曇天だけどな!
そんな事を考えて唐突に気が付いた。
・・・これ、雨とか降っても青空か?
え。不自然じゃね?
・・・・・いや、色がついたのもついこの前なんだからそこまで考えねえか。
空を見上げれば白い太陽(?)が天高く輝いている。
太陽は別に白でも黄色でも構わないけど、これ、夜もこのままかな?
青空が無かったくらいなんだから、夜空もきっと白い・・・いやこのままなら青いままな気がする。
え?寝れなくね?
寝る時は暗い方が好きなんだけど。
つーか、今更だけどなんで空って青いんだっけ。
科学的には太陽光の色の中で青色が一番拡散しやすいとか、メルヘン的には海の色が反射してるとか色々あった気がするけど、そもそもココの太陽白いし、地球の太陽みたいに7色だか9色だかの光線があるようには見えない。そもそも光線自体普通じゃ見えないんだけど。
でも俺ここの色指定が使命らしいし。
勝手していいのかな?
後で理論どうなってるとか言われても知らないよ?感覚派の元美術教師だかんな。
そうと決まれば、つーか決めれば?
時間経過毎の空でも描きますかねー。
チャラ神から受け継いだこの世界の創造過程の記憶を見れば、世界の作りは地球とあんまり変わらないっぽい。ここもどこかの次元にあるひとつの星で、一日の時間はほぼ24時間。元地球人には分かりやすい。
ちゃんと確認したら実は太陽は輝きが強い小さい星が近い距離で4個あってそれが地上からは大きな一つの太陽に見えてるらしくて、でも地球の太陽のように燃えてないから熱が伝わってるという事は無くて、ここの気温は主に地熱とチャラ神が設定した魔法の風で調節されてるという。星ひとつを調節する魔法ってどんなデカい魔法・・・。しかも設定50億年。さすが神様チート。ちなみに月も4個あった。こっちは大きさも距離もマチマチで地上からはっきり肉眼で見えるらしいけど。
地球には魔法なんてもんは無かったけど、科学の発展で不便を感じる事は無かった。
対して、こちらの世界は魔法がある所為で(?)科学的発展は150年前くらいで止まってるっぽい。車は無くて、住民の移動は基本馬車。実は各町に移動用の転移魔法陣はあるけど、充填する魔力量が足りないと起動しない為、使える人は多くないらしい。便利なんだか不便なんだか。
つーか、ここ以外にもたくさん異次元の世界があるみたいで、チャラ神の記憶にあるチャラ神のカノジョの世界は全部が海の中のような、メルヘンな世界だった。リアルマーメイドいっぱい。アニメで見た人魚姫より尻尾がデカくてやたら泳ぐのが速くて実際会ったらビビりそうな大きさだったけど。
という訳で?
ソファから起き上がった俺はPCデスクに向き合った。
今までは朝も昼も夜も関係なく真っ白だったから時間なんて気にしてなかっただろうけど、俺が描いて夜が暗くなることで住民の生活は大きく変わるだろう。
なんとなくで草も色付けちゃったけど、ちゃんと考えるとあれは良くなかったかもしれない。
先に夜を作ってから、夜の間にこっそり3ヵ月くらい掛けて色を付けてった方が良かったかも。
住民ビックリしてないかな?
なんかチャラ神の能力なのか指定したモノの一覧データが自分の中で出来てて、新規登録になんとか草とかなんとかユリとかいくつかの植物らしき名前が出てきた。
多分だけど、世界中のどっかに生えてるその植物だけにいきなり色がついたって事だろう?
真っ白世界が普通なここの住民にとっては、いきなり色変わりしたこれらの植物は呪われた植物とか思うかもしれない。
まあ、逆に祝福されたとかって思うかもしれないけど。
つーか、あ、チャラ神様が色付けしてる部分もあるじゃん。
えーと、妖精族?獣人族?なんとか族って事は住民か。ここ、普通の人間いないの?
チャラ神の作った世界の住民は、俺の世界ではファンタジーの中にしかいない種族の人達でした。
うわー・・・。
ちょっとテンション上がりました。
おっと、仕事仕事。
人生挫折気味の壁サークル同人作家が異世界転移したら、カミ様として崇められてしまいました 月湖 @tukiko
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