つい先日まで赤の他人が、ある日突然、家族となる。
創作では別段珍しくない。珍しくないが、この手の場合、互いに距離感というのは微妙なもの。
馬が合えば良しだし、なんやかんやで自然と距離が縮まるのも良し。
かといえば、この作品の場合、たった一つのメールで、じれったさを発動させる。
家族とは何か、兄とは妹とは。実のきょうだい家族でも仲の良い悪いは出るもの。
なんであるべきか、ではなく、どうあるべきか、互いを想いながら模索しながら初々しくも進んでいく。
大抵のラブコメはドシドシ押す展開が多いのだけど、この作品は控えめながらも進んでいく展開が程よい塩梅を出してくる。
ゆっくりゆったりと歩くような速さで。