前世の記憶が戻ったのであの子を今度こそ幸せにします

旅好き

第1話 

あぁ、死んでしまう‥‥‥

体中から力が抜けていく。

死ねない、死にたくない‥‥‥‥‥














まだあの子を幸せにしていないのに・・・・・・・・・・・・・

















はっ、やばっ。

授業中なのに寝ちゃった。

「おい、ライアン!イデン・ライアン!起きろっ!」

うぉ、耳もとで大声出さないでよ。

そりゃぁさ寝てる私が悪いけどさ、もう少し起こし方ってもんがあるんじゃないの?セラフィン先生。

「起きました。」

「起きました、じゃねぇんだよ!お前俺の授業で寝たの何回目だと思ってんだ!」

えーと、1、2、3・・・・・・・・・・・・・・・15回かな。

思ったより寝てないね。

「15回です!」

大きな声でセラフィン先生に言うと先生は顔を真っ赤にして

「回数を聞いてるんじぁねぇよ!俺はお前に授業を受けてほしいの!」

「僕は受けたくないです!」

「もう、やだぁこいつ」

私と先生との一連を見てクラスメート達は、いつものことだと言うようにあきれた目で私と先生を見ている。

「ライ、先生にちゃんと謝らないと。悪いのはライなんだよ?」

私の隣の席の美少女が注意する。

彼女はアルストロメリア・ソフィヤ。

私の幼馴染だ。

「はい!先生ごめんなさい!」

私はソフィから注意を受けるとすぐに先生に頭を下げた。

ソフィは本当に優しい子で私なんかにも優しくしてくれる天使だ。

「よくできたね。えらい、えらい。」

「えへ~」

褒められただけで私は天国に行きそうだ。

彼女が私をいさめたことでまた彼女の株は上がっただろう。

ソフィの役に立ててうれしいなぁ。

私は先生が前に戻ったのを見届けてから今度は真面目に授業を受けた。













授業が終わり昼休み時間に入った。

「ライ、今度こそ一緒にご飯食べよっ」

ソフィが私をご飯に誘ってくれた。

とてもうれしい・・・・・・・けど断らないと。

「ごめん、イーグと食べる予定だから。ホントごめん。」

「わるいなぁ、ソフィさん。ライとどぉしても一緒に食べたくてなぁ。また今度さそったって。」

イーグが独特の発音でソフィに謝る。

「ううん、全然大丈夫。気にしないで。私は他の子と食べるから。それじゃあねライ。それとイーグさんも。」

私とイーグはソフィを見送たあと弁当を取り出した。

「よかったんか、ソフィさんの誘い断ってしもうて。」

弁当を食べながらイーグが私に言う。

「あれでよかったんだよ、そりゃ僕だってソフィと食べたかったさ。でも僕はソフィと距離をとらないと。」

「ほーん。ようわからんけどお前が納得してるんならええわ。」

イーグはあまり深くまで聞かない。

私はイーグのそういうところが好きだ。

それからはイーグとたわいのない話をして昼休みは終わった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

前世の記憶が戻ったのであの子を今度こそ幸せにします 旅好き @shizukukurogane

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ