「救世主」として召喚された自由奔放で身勝手な女が異世界で周りを振り回すお話です。まず、この「救世主」として召喚されたアキラという主人公が思い切り物語をぶん回してくれるので見ていて楽しいんですよ。アキラという主人公はクズ女なんですけど、そのクズたる所以は自分の行為が人に与える影響に対して割と鈍いところ。とても賢く、かつ露悪的で軽薄にさえ聞こえる言動をするんですけどけど、実際にはその行動にはきちんとした指針があって、善行と言って良いことをしています。しかし本人は大して善行をしている自覚がない。この周囲との認識のギャップが面白くてスルスルと読めてしまいます。また、この認識のギャップや行動の指針はおそらくアキラのバックボーンが根拠になっているんですけど、これは主人公のアキラが自分のことを積極的に話したがる性格ではないため最初は徹底して伏せられているんです。ですが、ヒロイン達含む異世界の人々と触れ合い、気を許していくに連れて次第に明らかになっていきます。このシークエンスがまた魅力的で、どんどん読み進めていってしまいます。ヒロイン達もとても可愛く、百合えっちもしっかり丁寧に描いてくれるのでとても満足度が高いです。百合が好きな方にもそうでない方にも是非読んでほしいと思います。