第8話 創作における自在とは?①

ここまで鍛錬、師、内観について書いてきましたが、今回から創作、とりわけ小説を書くことにおける、自在というものについて考えてみましょう。


Q、自在に小説を書くとは?


まずは最大のテーマを考えてみようと思います。


自在に小説を書くとは、好き勝手に思ったまま書くことではありません。


以前にも述べた通りです。


鍛錬、師、内観、これまで述べてきたこの3つを念頭に入れて考えてみると、


「自在に書く」とは「頭に思い描いた情景をそのまま書く事ができる」と言い換えることができるかもしれません。


ここが重要です!


皆様、思った通りに書けているでしょうか?


AさんとBさんに効いてみましょう。


Aさんの意見

そんなの当然!自分の作品なんだから、思った通りに書けているに決まっている!!


なるほど。しかしそれは正しく内観が出来ている前提があってのことです。


自分の中にある自己像が正しく見えていなければ、そもそも内側に在るものを、正しく表現することは出来ないのです。


【自作に小説を書く為には、自分が何を書きたいのかをハッキリと見極めて、正しく認識することが必要です】



Bさんの意見

全然思ったように書けません。

書いてるうちにイメージから離れてしまうんです。熱が冷めてしまったり。


なるほど。

これにも内観が大きく関わってきます。

本人の言う通り、自分の中に在るものをイメージで捉えているわけです。


イメージとは細部を欠いた漠然としたフワフワです。キャラのイメージ、世界のイメージ、セリフのイメージ…


フワフワしたイメージが重なりあった作品は、どうしても何処かボヤケたものになりがちです。


何を表現したいのか?

どう表現したいのか?

どんな人を描きたいのか?

どんな世界を描きたいのか?


自分の内側に漂うイメージにしっかりと目を凝らして、確かな形にする。


そうすれば、それを文字で表現した時に、ボヤケたイメージではなく、確かな形、質感、重さ、リアルを伴ってくるはずです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

道説く 深川我無@「邪祓師の腹痛さん」書籍化! @mumusha

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ