第20話 耳が痛い
その後、2人が異常な程に
「はははっ! なんだ。学園の実技を共にしたり冒険者パーティを組んでいたから、これ程までに仲が良かったのですか!」
「そう。ジグラス王国の学園制度はメルダニア帝国の
「エレナさんは一部課程では飛び級をしている優秀な方なんですよ。下手したら満15歳以上が通う高等教育課程まで、飛び級してしまいそうなぐらいです」
成る程。
制度自体は知識として記憶にはあるが、俺は貴族以外の通う下院クラスだったからなぁ。
それでも金はかかるが……。
親が
この制度を作った先人には、深い感謝と敬意の感情を抱く。
しかし昨今のジグラス王国では、
いずれにせよ早く戦を終わらせて……学園で武士道や恋の道について、ゆっくり探求をしたいものだ。
このお2人のように素敵な関係の人々を近くで見て聞いて学べば、少しは恋の道も分かる気がする。
「いやぁ~。てっきり、お2人は素敵なパートナー同士だと勘違いしてしまいましたよ!」
「もう! ルーカスさんは……その、あれです!」
「そう、あれ」
あれと言われましても……。
察しの悪いおっちゃんには、分かりませんよ?
「いやぁ~……。年齢を重ねておっちゃんになると、ついつい人の
「また年齢の話ですか。ルーカスさんがおっちゃんなら、私たちもおばちゃんです!」
「おっと、その発言は方々に敵を作るので止めた方が良いですよ? これ程に水を弾くような美しい肌をしたお2人がおばちゃんなどど……
「その言葉、ルーカスくんにそのまま返す」
ああ、そうだった。
俺も肉体は、若きルーカスくんの身体なんだったな。
常に鏡を見ている訳でもないから、忘れがちになってしまう。
「……所で、あれとは何ですかね?」
「あ、それは……。その」
「……無神経とか、そう言うあれ」
無神経か。
いや~耳が痛い!
人斬りとしてのスイッチが入ってない平時は、人の笑顔が大好きだからな。
何だかんだで、笑って心を開いてくれる良い人たちばかりで助かった。
まぁ――そう言う胸襟を開く会話から、時に
武士として、この人の為に死ねる。
そう心に決めた以上は、その方の信義とぶつかるなら報告せざるを得なかった。
そうでも無ければ、親身になるがね。
キチンと武士としてぶれない一線は、
「無神経と言われては、これは言い返す言葉がない!
俺が
テレジア殿は消え入りそうな声で――。
「――その、気になる殿方は……出来ましたから。恋とかは、まだ分かりませんけど……」
「なんと!?」
テレジア殿に、気になる男性が!?
「……私も同じ。存在からして興味深い男性を見つけた」
「ま、まさか!?」
エレナさんまで!?
2人が同時に気になる男性を見つけるとは――やはり、2人は仲が良いんだな!
これ程の
「それは
「……お、お友達」
「……
ん?
俺はまた、若者が呆れるような親父ギャグか何かで滑ったのかな?
ギャグのつもりはなく、本心だったんだが。
それに親父ギャグの元を辿れば、貴族の芸術作品なのだけどな。
まぁそれを若き2人に説明しようとすると、さらにおっちゃん臭くなるか!
複雑そうな表情をして、男女共に若者の気持ちはやはり読めんな!
すると傷付き呻いていた男……傍らに置かれた
男は俺へと視線を向け、荒い息を大きく吸うと――。
「――……刺してやりたい」
そう
ふむ、動くのも辛い中で
敵ながら、見上げた根性だ!
よし、この者に決めたぞ!
―――――――――――
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