第8話 将軍? どうも、俺は若造おっちゃんです
子爵を囲む兵を俺は切り捨てて行く。
どいつもこいつも身体から立ち昇る魔力は凄まじい。
顔立ちから察するに……30歳前後だろうか?
兵士としては心身共に
「――未来ある
「だ、誰が若者か!? 無礼な
俺の顔立ちを見て、相手は
それもそうか。
見た目からして――10代半ば、それも
バカにされてると勘違いしてしまうだろう。
「――子爵! ここは私に任せ、一時退却を!」
周囲の者と比較しても立派な鎧。
細やかな装飾が施された赤い槍。
年齢は……40歳前後の子爵よりも、更に上に見える。
「おお、将軍! ま、任せたぞ! 私は一時、後方に下がる!」
「はッ!」
成る程。
立ち上る魔力に、戦慣れした
そして、将軍と言う
この男が――実質的に、この軍の指揮を
「小僧、ここまで
立派な馬に
そして槍を俺に向けると――。
「――
そう言い放ってきた。
よりにもよって
「ここで簡単に裏切るような男に、
護るべき大切な何かの為に戦場に立ち、
これは――昂ぶる!
上機嫌に言葉を返した俺に、将軍は一瞬キョトンとした表情をしてから――。
「――ふっ。
「ああ、いやいや……。貴殿がそう思うのも無理は無いですよ。――あと、俺は騎士ではないですな」
「……なに? まさか、その簡素な
「ああ、いやいや。私は
「……サムライ、だと? 若造、何を――」
「――
「――ぬぐっ!?」
流石に槍を奪われるような無様を将軍は
重い鎧を着込み
だが――予想以上に速い!?
こんな動きが人間に、いや……魔力が身体を覆っている。これは魔力による力だな!
流石は将軍、予想外の事態へ対応が速いのには
「――
歳を取ると、見た目で敵を
交渉相手や立ち会い相手が若いと、それだけで油断に繋がる。
ま、この場は――この若い見た目に助けられた。
真っ向から
「しょ、将軍!?」
「ま、まさか将軍が!?」
はははっ!
若いうちは早く貫禄が欲しいと、それなりの年齢になるのを待ち望んだが……。
30過ぎた頃からかな。
今なんて、10代半ばで本当に良かったと感謝しているよ!
歳を取らなきゃ分からない事もあるが……やはり若いのが一番だな!
俺は周囲が
うむ、流石はラキバニア王国の将軍が乗っていた馬。
これは良い馬だ!
「ま、待て小僧! おい、逃がすな!」
「子爵を追うつもりか!?――魔法を放て!」
馬を駆けさせる俺の横を、
「うおっ!? 味方の兵を巻き込むのに
横目に見ていなかったら直撃していた!
その代わり、他の歩兵が魔法で死んでいるが……。
「……嫌だねぇ。君たちは
広範囲を攻撃する魔法を避けるのは用意ではないけど――
これぐらいの魔法なら、油断しなければ避けられる。
それでは――征くとしよう!
―――――――――――
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