第5話 消失
朝、起きると隣に居るはずのあすかが居なくなっていた。それはあすかの消失であった。その後、一週間が経った。印象的なのは私の感情がかなり寂しいと感じのだ。私の人生はテニスができなくなった時点で終わっている。今更、あすかを失っても何も感じないはずなのに……。
暗室に行ってみたが、やはりあすかは居ない。放課後、レイヤー撮影同好会の部室に向かうと。溜まっていたあすかへの想いが爆発して、とうとう、祟日先生に消失の真相を聞く事にした。
「真実を知る覚悟は有って?」
祟日先生は真剣な表情で問うてくる。どうやら、この先は覚悟が要るらしい。
私は頷くと祟日先生は一件の病院を案内する。ここにあすかの消失の真相があるらしい。
私はその足で祟日先生が教えてくれた病院に向かう。そこに居たのは包帯グルグル巻きに車椅子姿のあすかであった。
「私、一週間前に意識を取り戻したの、今まで君が見ていた『あすか』は生霊よ」
祟日先生の覚悟が要ると言った理由が分かった。一生病院から出られない程の怪我のあすかに向き合わなければならないのだ。
……。
もう、あすかは一人で立つ事さえ出来ない……。
迷った末の結論は共に生きるであった。
「お姫様、この私が王子様になります。二人でいる事を怖がらないで」
私は少し震える手をあすかに差し出す。
「はい」
あすかも手を差し出して、二人の手が触れ合う。
この感情は何だろう、失って初めてあすかの大切さを知り、共に生きる事を誓った。
これからが私の人生の始まりだ。
セクシー女性教師の妹は幽霊 霜花 桔梗 @myosotis2
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