2話
遠くから聞こえてくるサイレンの音が、俺の不安を煽る。逃げる先が見つからないまま、俺は影となって闇に紛れ込む。明かりを避け、一瞬たりとも人目につかないように、慎重に進むことが生きるための条件だ。
やがて辿り着いたのは古びた一軒家だった。窓からは街の灯りが薄っすらとだけ見えた。部屋に入ると、机が置いてあり、俺は血の付かなかった鞄からノートパソコンをとり出した。
ノートパソコンの光が部屋を照らし、キーボードの音だけが静寂を裂いていた。俺は冷静になり、新しい身分を作り上げる手続きを進めることに集中した。偽の名前、架空の経歴、それらを入力する指先が、俺の未来を切り開く手段となることを知っていた。
一方で、外ではサイレンの音が更に近づいてきたようだった。警察の存在が俺の後を追い、冷や汗が背中を伝う。焦ってはいけない。俺は再び自分を取り戻し、冷静に行動しなければならない。
手続きが終わると、俺はノートパソコンをしまい、その場を離れることに決めた。外の闇に紛れて歩きながら、新しい身分を手に入れることで、逃げる先を見つける一歩となるだろう。
街の灯りを避け、闇に紛れて進む。しかし、どれだけ気をつけても、サイレンの音は耳を離れずに迫ってくる。未知なる未来が俺を待ち受けている。そして目的の場所についた。
そろそろ、書類が届くはずだ。俺はここにすぐ来るよう先ほどの裏組織との手続きで知らせておいた。そう考えて2~3分まつとすぐ来た、ありがたい物だ。俺はいろいろな書類が入った大き目の封筒を、先ほどの鞄に入れておいた。新しい身分を手に入れ、逃げる先を模索していた。
逃げる先を見つける前に、俺は身元を完全に偽り、警察の目を欺く必要がある。そして、この新しいアイデンティティを使ってどこかに身を潜めねばならない。とりあえず森の様な場所に隠れた。
時間が過ぎ、俺はノートパソコンを再び取り出し、より詳細な計画を練り始めた。新しい身分証明書やパスポートだけでなく、仕事や住む場所も考えねばならない。友人や家族には連絡をとれないまま、俺はこの孤独な旅を進んでいくしかない。
逃走の中で、俺は街の風景や人々の喧騒が遠くなり、冷たい風が闇夜に吹き抜けるのを感じた。警察の存在がますます迫りくる中、俺は新しい未知の世界に足を踏み入れていた。
俺は街から離れ、山や森の中に身を潜めることを決断した。自然の中で、人目を避けつつ生き延びるためには、慎重な計画が必要だった。
新しい身分を手に入れ、荷物をまとめ、俺はまた他の森や林に向かった。サイレンの音がますます近づいていたが、俺はその音を背にして、未知の世界へと歩を進めていく決意を胸に抱いていた。
山や森の中での生活は厳しいものになるだろう。食料の確保や安全な隠れ家の確保が必要だ。しかし、俺はこれまでの生活を捨て、新しい未来を切り開く覚悟を決めていた。
逃れる先がどこにあるのか、俺には分からない。だが、唯一確かなのは、このままでは逮捕され、罪に問われることだ。
やがて夜が更け、俺は山や森を抜け、人里離れた小さな町に辿り着いた。
すると、住む場所は空いている場所があると言われて。幸先がなんと良いことだ。1週間はここで生きられそうだ、さらに街はずれと言う好立地。おばあさんに1週間だけと言っておいた。事実ここにいるのは1週間だけの予定だからだ。
俺はおばあさんから教えてもらった場所に向かい、一週間の滞在を始めた。小さなアパートだが、この一週間は俺にとっては穏やかな時間だった。町の人々との接触を極力避け、新しい身分での生活に慣れていくことが俺の優先事項だった。
一週間が経つ頃、俺は次の行動を考え始めた。この町での居場所が確保できたとしても、いずれは逃げねばならない。過去の罪から逃れることは容易ではないし、俺の近くには警察の存在も感じられる。だが、新しい可能性を求めて立ち上がることを決断した。
そこで俺は、闇組織に頼ることを考えた。逃走の手助けをしてくれると思ったからだ。
闇組織との接触は慎重に行わなければならない。俺は町を離れ、夜の闇に身を委ねながら、かつてのつながりをたどることになった。情報のやりとりは慎重に行い、彼らに俺の現状を伝える。
しばらくして、闇組織からの返答があった。逃走のためのサポートを受けられるという内容だった。ただし、代償として彼らとの取引が示唆されていたが、俺はそれを受け入れる覚悟を決めた。取引とは、俺がもう一つの標的も殺すことで、それも手助けをくれるらしい。
町に戻り、一週間の滞在が終わる頃、俺は手助けの内容を教えてもらい、闇組織との接触の準備を整えた。新しい未知の世界への旅が再び始まる前に、俺は胸に秘めた罪との葛藤を抱えながら、次なる一歩を踏み出す覚悟を決めていた。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
穢れた手などなかった事にすればいい 謎の少女 @nazosyouzyo_tyuunibyou
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