第24話

結局、魔力測定の時間まで私の部屋に居座った二人は父様の執務室までついて来て、父と神官に直談判していたが、あとから来た母に引きずられて退出した。


「測定者の弟妹方に、自分も一緒に魔力測定がしたいと言われたことはありますが、自分のはどうでもいいから姉の魔力測定を見せろと言われたのは初めてですね。どちらにせよ、まだ魔力が安定していない年齢の子供は、測定者の魔力に当てられて魔力暴走を起こしかねないので同席させられないのですが…」


そう言って苦笑いしていた神官に、無意識に不思議そうな顔を向けていたらしい。弟達が出ていった扉から視線を外し、こちらを向いた神官が微笑んで慣れた様子で詳しく説明してくれた。


「魔力測定の際、あちらの水晶玉に触れて魔力を流していただくのですが、測定を終えるまで水晶玉から手が離れませんので、その間ずっと魔力を流し続ける必要があります。このときに、水晶玉が受け止めきれなかったり、無意識のうちに体外に放出していた魔力の量が増えたりした場合、周囲に影響を及ぼすことがあります。

成人の一般的な魔力量やそれより少し多いくらいなら大した問題はないのですが、極稀に膨大な魔力を持って生まれる子供がいます。そんな子達の魔力測定をしたときに一番多いのが、室内に風が吹き荒れることですね。その他には周囲の物にヒビが入るとか、色々な物が浮き上がるとか、そういったことならまだ良いのですが、ずいぶんと昔に、まだ五歳にもなっていない子供が同室していて魔力暴走を起こし亡くなった事例が実際にありました。それ以来、魔力測定に立ち会うのは父親と神官のみと決められました」


執務机の中央に置かれた水晶玉を指し示しながらそこまで説明して、学園に通うようになれば学ぶ内容なので今は忘れてしまっても大丈夫ですよと穏やかに笑って言った。そして、私にそっと手を差し出して魔力測定を始めましょうと、執務机の前まで導いた。

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異世界転生、女ですが何か? 緋蓮 @ryudukisouka

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