過労死して異世界転生を果たすが向こうで死ぬとリアルに戻される件。

第2話 危機

「そういやさー、なんでここ何もいないの？」

【ボスモンスターの住処だからです。】

「は？ え？ まってボスモンスター？」

【はい、ボスモンスターの住処です。】

「いや、初見殺しにもほどがあるだろ！」

命の危機である、まだどんな世界かすら分かっていないのにボスモンスターの住処に来てしまった。

そして、ついに時は来た。

とてつもなく大きななんとも言えない低い声が響く。

あっ、これ終わったわ、絶対ボスモンスターの声やん、赤いドラゴンみたいなんいるし。

絶対見つかった。死ぬ。殺される。

【今の声は伝説級モンスター、ワイバーンの声です。】

「伝説級？ ワイバーン？ なにそれ？」

【分かりやすく言えばこの世界の最強モンスターのうちの一匹です。】

「うわー！ なんかこっちくるー！」

【あれがワイバーンです。】

「見りゃ何となく分かるわ！」

どうやら私は今ラスボス的なやつに追いかけられているようだ、せっかく転生してきたばっかなのに死ぬのか？ それはやだ！ そうだ！

私には現代兵器という最強の武器があるんだ！

「マシンガン！」

【解析中。】

【承知しました。】

「しゃあ！ 勝ったぜ！」

「あっ……」

完全にフラグである。言っちゃいけんやつである。

知らん！ もうどうにでもなれ！

【ワイバーンは物理攻撃無効化を持っているので物理攻撃は通りません。】

あっ終わったわ、このまま食われるんだ。

やっぱりフラグ立ってた。

次死んだらどうなるんだろ、せっかく転生出来たのに……

あーあ、これならブラック企業にいた時の方が……いや、まだ今の方がマシか。

体に強い衝撃が走る。私また死ぬんだな……