過労死して異世界転生を果たすが向こうで死ぬとリアルに戻される件。

龍花

第1話 チートスキル

私は九条すみれ23歳、俗に言うブラック企業に勤務している。いや、していた。

深夜4時勤務が終わり帰宅していた途中車に轢かれて死んだみたいだ。

ん? 死んだみたいって? って思ったでしょ、なんかねー異世界転生ってやつみたいやね。

ここまでの経緯を軽くまとめるとこんな感じかな。


1、朝6時~深夜4時まで働く。(年中無休。)

2、それを3年間続ける。

3、フラフラになる(よくここまで耐えた。)

4、車に轢かれる

5、今に至る


となる。

うーん、良く分からないけど轢かれてあー死んだーって思ったら目が覚めて、目が覚めたら転生してた的な?

まあブラック企業から解放されたってことで乾杯! って水すら無いんだった……

とりあえず水を確保しないと!

ってここどこだ……


辺りに広がる密林、まるでアマゾン川の流域のようだ。

それでいて生物がいない。なんなら虫もいない。


「水…………」

【承知致しました。】

「ありがと……う…………って、えっ!?

何今の!?」


と混乱していたら目の前に水の入ったペットボトルが現れた。


「え、すご……」

【ありがとうございます。】

「わぁ! 喋れるんかい!」

【左様でございます。】

「ところで君は何者なんだぃ? えぇ?」

【この世界のシステムでございます。

あなたのスキルにより管理者権限の1部が譲渡されているのでアクセスが可能となっております。】

(なるほど……全く分からん……けどさっきみたいに言ったものが貰えるとか……かな?)

「じゃあ……コンビニの肉まん!」

【承知しました。】

「うわ! ちょっと高い方じゃん!」

「じゃあ……次! コーラ!」

【承知しました。】

「スマホ!」

【承知しました。】

「車の免許証」

【発行しております。】

【発行が完了しました。】

「うわ、すっご! まじもんじゃん!」

「じゃあ……10円ガム!」

【味の方は……】

「なんでもええわ!」

【承知しました。】

「いや、まじやんすっご。」


そう。このようにして私はこの世界へのアクセス権(の1部)を手にするというチートを持って転生を果たした。

(ブラック企業からの解放やったね!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る