いくら異世界が人材不足だからって、俺を轢死させようとすんのやめろよ。

 一体、これまで何人の異世界転生者がいたことだろう。自死にしろ、事故死にしろ、いくら何でも異世界転生者過多すぎるだろう。しかも、異世界転生の多くには、女神が関わっている。そんな異世界転生ものを、逆手に取った一作だ。
 主人公は平凡な高校生を装う男子高校生。何故か最近トラックに轢き殺されそうになっている。どうやら異世界は人材不足で、現代から主人公を異世界転生させたいらしい。そのために、女神たちはトラックを使って事故に見せかけ、主人公を殺そうと企んでいるようだ。そう、「異世界転生」と言えば聞こえがいいかもしれないが、つまりは現代において「死ね」ってことだ。主人公はこの異世界転生、もとい、女神たちからの殺意から逃れる決意をする。
 何故、主人公はこうまで女神たちに轢死させられようとしているのか? それは主人公の隠された正体にあった。幼い頃から父に空手を教わっていた主人公。しかし、それは空手ではなく——。

 主人公を殺そうとする女神たちと、それに全力で抵抗する男子高校生の物語。
 勝つのはどっち?
 そして、主人公の正体とは?

 今までになかった、異世界転生抵抗という新しい視点。
 そしてコミカルな女神たちとの攻防。
 これからも楽しみな一作です。

 是非、御一読下さい。