とんびの輪 🧭

上月くるを

とんびの輪 🧭



チラシ噛む郵便受の枯葉かな

枯園を風の奏でるかきくけこ


ビル街の大きな影や冬日和

百号の窓の額ぶち冬三日月


深き洞ある幹昏し木葉雨

流木の静止動画や冬の川


葉牡丹を植ゑてみたしと通り過ぐ

鳶の輪の八手の咲くを知らざりき


畑中に枯れ鶏頭の立ち尽す

帰り花隠れ処住まひ七年目


寒暁やとなりの窓にあかりつく

水のごと自然に生きて寒さかな


寒雷やピアノの椅子の黒四角

心配はやめて小粒の蜜柑むく


ブティックの一灯ポインセチアかな

ふと目醒めきよとんとしたる小鴨かな


落武者のごと枯蓮の堀に立つ

冬菫プラトニックを至上とす


ふざけてんのふざけてんのよ竈猫

まぐれとか気まぐれとかや冬の蜂




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