第10話

今私は、お風呂の扉の前に居ます。ちょうど10分くらい。

事の発端は、私が葉月に着替えを渡して部屋に戻った時にタオルを渡すのを忘れていた事に気づき、タオルを置いて立ち去ろうとしたのだが......。シャワーの音が気になって入れない。この一枚の扉を挟んで葉月は裸になっている。いや、お風呂に入っているのだから当たり前なのだろうが。

でもやっぱり好きな人が裸でいると自然と意識してしまう。

もう、さっさとタオルだけ置いて部屋に戻ろう。覚悟を決め、扉を開けるとそこには真っ白い肌に薄いピンク色の......


『....っ、ご、ごめん』

『いや、大丈夫。タオルがなくて』

『あ、ああタオル。渡すの忘れてた』

『.......ありがと』


私は、なるべく葉月の姿を見ずにタオルを手渡すと、急いで自分の部屋に戻った。

やばい、やばい。めっちゃ綺麗だった。

心臓の音が鳴り止まない、って変態か私は。でも、好きな人の裸を見て興奮するのは自然な事だ。


私は、そう自分に言い聞かせてベットの枕に顔を押し付ける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

小学校の時に好きだった人と高校で再会したが、何故か好意を寄せられている? 南極ペンギン @amaori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ