第20話

 次の日もあんりと途中別れて図書館に行った。

 2回目の図書館。まだ、どうしていいか分からずそわそわする。昨日と同じ道で、図書館に着いた。そして、昨日と同じ席に向かう。よし今日も勉強するぞ、と思ったが昨日の席は別の高校の女の子に使われていた。

 うわぁ、どうしよう。周りに変な目で見られそうな気がして、一気に焦る。焦る気持ちを押し殺し、仕方がなく、別の席を探す。しかし、今日は昨日より混んでいるため、なかなか見つからない。ゆっくり歩く。見渡す限り席が使われている。そしてまだ自分が座ってないことに勝手に焦る。全然見つからない。どうしようか考えてると4階の学習室で勉強ができることを思い出した。あまり気は進まないが、仕方がなく3階に行く。昨日と違って3階が混んでいるためか、4階フロアは電気がついていて明るかった。学習室は廊下を挟んで2つの部屋開放されており、1部屋が教室と同じか少し広いくらいの部屋で両方とも同じくらいの人数が学習室を使用していた。どちらに入ろうか少し迷ったが、私は向かって左の部屋に入った。なんだか入りにくく少し躊躇したが、入り口近くの端の席が空いてるのを発見し、すぐに座った。

 学習室は図書スペースもある3階と違って簡易的な個別学習ができるパーテンション付きの机に椅子が並べてある。

 人がいるのにとても静かだ。本気で勉強をしようとしてる人たちがこの学習室で勉強をしてると思うと、なんだか申し訳ない気分になった。なんとなく勉強をしに来ていると周りに悟られないように急いで勉強用具を出し、すぐにやり始めた。

 やり始めると、昨日と同様に緊張も変な妄想もなくなった。学習室は人の出入りも少なく思ったよりも集中して勉強できそうだ。今日も今日とて歴史の勉強をする。嫌いな科目だからやりたくない気持ちのせいで集中が切れそうになるが、周りの雰囲気のおかげでなんとか目標時間までやり終えることができた。

 今日の集中力に満足し片付け、図書館の外へ出る。

 駐輪場に向かい、自転車に乗った。敷地から少し道路に出たところでなんとなく見たことある男子が自転車を停めて立っていた。

 誰だろう。と考えながら目が合わないように通り過ぎた。自分の記憶している人物フォルダーから検索してみる。誰なのかと考えること10分。思い出した。加納の好きな人だ。なんで、そこで立ってんだろ。誰かを待ってた……?けど答えは分からないし、変に考えても仕方がない気がして考えることをやめ、そのまま家へと向かった。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

タピオカ @hiesho-samui

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ