第2話 剣聖の後続と推薦入学①

──父、がこんなにも剣聖の称号の後続に焦るのには理由がある。勇者が不在の今、魔王率いる魔族の連中は着々と数と力をつけているこの現状に対し、人類側はまだ対策しきれていないことだ。

亜人種やその他の異種族との国交もまだだし、人類だけではどうあがいても勝ち目がない。

その上この国、アリューシアン王国の主戦力の一人である父は現役を退いた身……


─要するに、この国には平和の象徴たる『剣聖』がいないのだ。

だが魔族達の進軍は待ってはくれない……仕方なく魔族達の抑止力となるよう今、父は形だけの剣聖を受け持っている状態だ。

……拾ってもらった恩を考えれば今すぐにでも父の称号を継いで肩の荷を下ろしてやりたい。

でもやはり俺じゃまだ力不足なんだ……こんな中途半端な剣技じゃ剣聖は務まらない……皆の平和の象徴には慣れないんだ……

そんなことを考えながら俺は父と朝の食卓を囲んでいた。すると次の瞬間、父は突拍子もないことをいいだした。


「……レン、お前って学校とか興味ある?」


「……へぇ?」

急に何を言い出すかと思えば……


「いやだから学校だって」


「……うん、ちゃんと聞こえたよ?そうじゃなくて何でいきなりそんな話しに?学校?今?なぜ……?」


「ん~……実はな……」


そう言って俺の側に近寄り、ひそひそと耳打ちをする父、そしてその口からとんでもないことを聞いてしまう……

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剣聖の息子、王立魔法剣術学院で最強へと至る @towai82

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