第23話 ふくろう模様の皿――石堂藍が紹介しそうな作品

久々に、不可解な作品を読みました。


ふくろう模様の皿 (評論社の児童図書館・文学の部屋) 単行本 – 1972/1/20

アラン・ガーナー (著), 神宮 輝夫 (翻訳)


児童文学といってるけど、そんなことはぜんぜんないです。

不条理ミステリーというか……登場人物のよくわからない会話から、語られていないことは何かを読み解かなければなりません。


私は、超イライラさせられる難解ゲーム「MYST」をやってる感覚を想起させられました。

https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/morirei02

>気づけばそこは謎の島。何もわからないまま、主人公はこの島を探索し始めます


あと、キャラの年齢や外見描写が一切ない(笑)


さいしょ、アリスンが「お腹を壊した」といってベッドに寝ていたので、十歳くらいかと想像してましたよ。

でも恋愛の話がバシバシ出てくるし。


これは「ふくろう模様の皿の謎を解く」話ではなく、閉鎖的な土地、因習に縛られた人々、各自の階級差の描写などを楽しむ、イヤミスっぽい作品ですね。



実はこれは「うろ覚え本棚」のなかでヘルプを求めた作品なのです。

https://kakuyomu.jp/works/16817330658100479678/episodes/16817330658125485448


・『幻想文学』で紹介されていた。

・作者は海外の人。

・三角関係がモチーフ。

・ラストで、バラの花がふりしきる。

・格調高い文章。(……かなあ? まあ、不可解な文章が多用されています)


う~ん、この条件にほとんど当てはまる!


それと「マビノーギオン」の「マソヌウイのむすこ、マース」が元ネタというところなんて、いかにも石堂藍が紹介しそうな作品です。


いや、実は石堂さんが紹介する作品はですね……難解かつ晦渋で、いささかエンタメ性に欠ける作品が多いのです。その点でもぴったり……。



まあ、そんな石堂さんが選んだアンソロジーのなかで、最高のものは『書物の王国15 奇跡』だと思いますね!


これは石堂さんの難解さが良い方向に働いていて「神……叡智……奇跡」の神々しい作品がセレクションされています。


崇高な小説に触れたい時は、おすすめですね!

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