第五十九話 ◆◆主要人物の現在まとめ◆◆
【あらすじ】
その剣幕にびびった三日月顎の女官が木立で泣いていたので、嶋成は優しく声をかけたが、声をかけた事を後悔する。
【主要人物の現在】
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テレテレ顔が止まらない29歳。
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もはや主人公。
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ふっくら体型、顎が三日月。
ちなみに名前は、燕──つばくらめではなく、刀の
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五百足の妻となり幸せです!
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お付きの女官、
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・三虎……大川の従者。大川の世話が命。仏頂面25歳。
・
片思いの相手、三虎との進展は悲しいほど皆無の19歳。
・
現在の上司命令は、古志加のお
* * *
おまけ。
「ふふ……、三虎も一緒に湯船に入れば良いものを……。」
大川は、白い肌を桃色に染めながら、ゆったりと湯船につかる。
湯船は、大人の
夜の湯屋には、もうもうと、湯気がたちこめる。
湯屋用の白い衣をきっちり着た三虎が、湯船のそばにむきだしの膝をつき、
大川は髪が濡れないように、髪をすべて
「オレはけっこうです。」
大川のはだかの胸に透明なお湯が流れ落ち、肩に
湯船には、ちらほらと
大川は、ほ、と熱のあるため息をつき、しっとりと水気のある微笑みで、
「後からお湯を沸かさせて、別々に入るのも、悪いだろう?
この
私が使っただけでお湯を捨てるのは、実にもったいない。
さあ、三虎も脱ぐが良い。」
と、戯れに三虎に流し目を送る。
三虎は冷たく、
「脱ぎません。
大川さまのお世話が全部終わってから、オレは湯屋を使います。
お湯を沸かす女官には、たっぷりつかませてますので、問題ありません。
さ、垢すりをします。」
と主に立つように促す。大川は素直に、
「うん。」
と湯船を立つ。
ざぱ、とお湯が音をたて、ゆらゆら赤い花びらが水面に揺れ、美貌の男が、舞と武芸で鍛えた美しい身体を、惜しげもなくさらした。
三虎が手際よく、垢すり(木べら)を背中にあててゆく。
「
「ええ。
「はは。まったくだ。」
ふと、三虎が垢すりを下に置き、湯桶にお湯をくんだ。
ひたひた、裸足で湯屋と
「げっ……。」
大川のはだかを覗いていた女官が二人、正体をあばかれて、気まずそうにうめいた。
「去れ!」
三虎は一喝し、二人の頭から湯桶のお湯を、ビシャア! とひっかけた。
「きゃあ!」
「わぷっ!」
ここが
しかしここは
女官どもが湯加減の伺いに来たと主張すると、三虎も強くでれないところがある。
なので最近は、入浴を覗く不届きな女官を見つけ次第、問答無用でこうする事にしていた。
(まったく、このような事があるから、オレはお世話に徹せねばならんのだ!)
三虎が垢すりを途中にしてしまった大川が、三虎が垢を拭い去る前だったので、湯船に入りなおすわけにもいかず、立ったまま寒そうに、
「う、クシュン!」
くしゃみをした。
───完───
↓(袋とじ的な)挿絵です。
https://kakuyomu.jp/users/moonpost18/news/16818093078309879197
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