林檎
りんごを好きなように弄ってくださいという無茶ぶり……先ほどのりんごより生まれたゴリマッチョを見た後ではただ焼くだけで終わりとするのは難しいだろう。
「「「……」」」
多くの者がりんごを前にどうすればいいか途方に暮れていた。
「ふんふん……これを、こうして……」
「えっと、これ、はぁ……」
そんな中で、この無理難題に対して適応しているのは神楽と桜花である。
二人の魔術である聖と加護は相手に聖なる力を流しこむことで他を変容させることも可能であるため、二人はこの課題にめっぽう強かった。
「回復能力増し増しのりんご。これを食べれば難病だって完治できます!」
神楽は自信満々にとんでもないものを作り上げてみせる。
「うぅ……私はそこまでの回復性能はぁ……うぅ、防御性能をりんごにつけても食べられなくなるし……いっそ動かしてみるぅ?」
そして、そんな神楽にも負けじと桜花も桜花でとんでもないことをやっている。
「……」
そんな二人を横目に僕はりんごを手に持って静かにりんごの内部へと刃を差し込んでいく。
僕が刃で差し込むのは本当にりんごの内部の内部。・
一つの物質としてこの世界で構成している分子であったり、遺伝子であったりだ。
「出来た」
生体そのもの、遺伝子を切断し、綺麗に切断してりんごの遺伝子と他の遺伝子を強引に引き合わせながらせっせとりんごを少しずつ変形させていた僕は小さく呟きながらりんごをそこらへと投げる。
『ぎしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!』
すると、僕の投げたりんごは地面につくよりも前にその姿を変形させ、一つの巨大な犬へとその姿を変えさせる。
「……えっ?」
りんごであったはずのそれがもふもふの犬へと変わったという事実を前に……確かに、まぁ、驚くのも当然だろう。
りんごの遺伝子を弄った結果、犬になるのは僕だって謎だ。
でも、なるのだから仕方ないよな……あぁ、また新しく研究対象が生まれてしまった。魔法って、奥深くて興味深いが、永遠に研究テーマを走り切れる気がしないから少しだけ億劫にもなってしまう。
「いただきます」
そんなことを考える僕は神楽のテーブルに置かれていた光り輝くりんごの方へと手を伸ばしてそれを口に含むのだった。
ゲームで死ぬ悪役貴族に転生したのでまずは自身の死亡フラグを折るために主人公をTS薬でシャブ漬けにしてメス堕ちさせたいと思います リヒト @ninnjyasuraimu
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