たとえかなわない夢だって嘲笑われても

ナナシリア

たとえ叶わない夢だって嘲笑われても

「ねえ、お前将来は何になりたいの?」


 ――俺は小説家になりたい。


 現実問題、たぶん無理なんだけど。


 たとえ実際に小説を書いてみて、少しでも将来的に成功する確率を上げようとしたって、俺はあくまで一般人だ。


 挑戦をしようと思っているのは俺だけじゃない。スポーツ選手だとか、芸能人だとか、画家だとか、可能性が低い職業になりたい人はいくらでもいる。


 でも彼らは、挑戦を諦めて、足並みをそろえて、一様に現実的な就職をしようとしている。それは悪いことじゃなく、現実として正しい考え方だ。


 そんな束縛が嫌いで、たとえ縛り付けることが正しかったとしても、俺は挑戦してみたい。可能性にかけてみたい。


 周りの人とか大人はどうせ、無理だとかやめておけとか、現実は甘くないんだとか、成功するのはほんの一握りなんだとか言ってくるんだろう。


 だけど俺は、現実が甘くないんだとか、成功するのはほんの一握りなんだとか、そういうことは分かってる状態で挑戦してるんだ。


 失敗したらどうしよう、成功できなかったら、生きていく術はあるのだろうか。そう思っているといつだって不安でたまらない。


 でもこっちはその不安だって全部了承して受け入れて抱え込んで、そのうえで立ち向かっている。


 それなのに、自分から挑戦を諦めた人がそんなことを言ってくるのは、挑戦している人を嘲笑わらうのは、足を引っ張っているだけのように思えて仕方ない。


 だから、俺はそんな奴らに嘲笑わらわれたくないから、ひとりで戦う。それ以外の道はない。


「何になりたいかは、まだわかんない」

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たとえかなわない夢だって嘲笑われても ナナシリア @nanasi20090127

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