雪の季節に
くれは
パッタ・タッシ
みんなでかわるがわるリョマを叩いてジョウシを弾く。そして誰かがその真ん中で跳ね踊る。シャビマの周辺で見られる
そのときは、ヴァロという女の子が踊っていた。
ディラ・ルッタ ディラ・ラッタ ルラ・ラウ・ラウ
曲はどんどん早くなって、踊りはどんどん激しくなる。そのうちにヴァロはころころと笑い出して、その場に崩れ落ちた。
「もう、早すぎる!」
赤い顔で息を切らせて兄弟たちを睨むけれど、その顔は確かに楽しんでいた。
「じゃあ交代!」
次はトネムという男の子が中に立った。トネムが持っていたリョマはヴァロに渡される。ヴァロは息を整えながら、リョマを叩き始めた。
そんな子供たちのところに母親のケヴァが声をかける。
「ねえ、あなたたち、
子供たちは一斉に動きを止めて、お互いの顔を見合わせた。どうしよう、どうする、と視線が交わされたあと、一番上のエシムがそっと口を開いた。
「知らないよ。
それに同調して、周りの子たちも口々に知らない、
ケヴァは子供たちの顔を見回して、諦めたように溜息をついた。
「あなたたちがそう言うなら、
不問とすることにしたようだった。子供たちは安心したように顔を合わせて、笑い合う。
「ああ、早く
ヴァロが溜息まじりに呟く。
「
「
「でも、自由に外に出られる
「そう! それに夜には広場でみんな踊るじゃない? やっぱり踊るなら広場が良いな。みんな集まって、すっごく楽しいんだもん」
「お前が広場で踊るのはもう何年も先だろ」
「そんなのあっという間だもん。わたしは上手に踊れるようになって、注目されるようになるんだからね」
「はいはい、ほら、曲を続けよう」
口ではいろいろ言いながらも、みんなそれぞれに
そんな気持ちを乗せて、子供たちは歌う。踊る。
家の外ではやまない
雪の季節に くれは @kurehaa
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