この障害は誇りです!

華ノ月

「発達障害」だからこそ……

 すでにご存じの方もいらっしゃいますが、私は生まれつき、「発達障害」です。正確にはその中の「広汎性発達障害」という障害です。


 過去の私はこの障害ゆえに苦しみ、沢山の傷を負いました。


 ですが、今の私は胸を張って言える言葉があります。



「私は発達障害です!ですが、その事を私は誇りに思っています!」



 今の私はこの障害だからこそ、分かる事があります。見えるものがあります。そして、過去に苦しんだからこそ、今苦しむ人たちに寄り添うことが出来ます。


 今の仕事は障がい者福祉施設の指導員をしています。私にとって利用者の方はどの方も可愛いと思いますし、寄り添いたいと思っています。そして、社会に出られるようにお手伝いをしたいと思っています。


 「障害」を持っていると聞くと、「苦しみ」「辛さ」「悲しみ」が思い浮かぶと思います。


 私も過去はそう感じました。


 ですが、その壁を乗り越えて、私は前に進むことが出来ています。毎日をとても生き生きと過ごすことが出来ています。仕事もとても楽しくてやりがいがあります。


 私が障がい者であることは今でも変わりません。ですが、私は障がい者で良かったなと感じていることも確かです。


 そして、私が障がい者として生まれたとしても、今はその事を全く恥じていません。むしろ、障がい者で良かったと感じるほどです。


 今となってはとても愛おしいと感じる「自傷」で傷つけた体も、私には必要な傷です。


 今はこの傷が私を励ましてくれています。


 私は過去の苦しみや悲しみに満ちた自分から抜け出せたのです。その証ともなる傷を憎いとは全く思いません。


 この傷を見るたびに思います。



「私、よく頑張った!!」



 私は自分にそう褒めてあげたいです。


 そして、今苦しむ人たちに伝えたいです。



「諦めないで!頑張って前を向いて!!」



 障害による「苦しみ」「辛さ」「悲しみ」は人それぞれです。


 私もとても沢山味わいました。


 過去の私はその障害を憎みました。


 「発達障害」は乗り越えるものではありません。


 「向き合うこと」が大切です。


 今、「発達障害」だけでなく他の障害でも苦しむ人は沢山いると思います。


 なので、そんな方たちにメッセージを送りたいと思います。



「雪はいつか溶ける。


 そして、その下には温かな春が待っています。


 諦めないでください。


 今のその苦しみはいつか自分の糧になります!」

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この障害は誇りです! 華ノ月 @hananotuki

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