第9話
自分には何ができるのか、日記を書くという些細なことも、責任を感じないような生き方を実践しようとすることさえもできない。何もできないのだろう、世間にとって自分は平凡にダメな大学生でしかない、大きく悪いことさえもできない。一体誰がそうさせた、羞恥心がそうさせたのだ半端で過敏なな羞恥心を育てたのは親だ、教師だ、クラスメイト、幼い頃の環境が育てた自己顕示欲のみ肥大化しそれ以外は空っぽな怪物。誰にも認められなかったがために社会に適合できなくなった人間ではなくなった人。誰も見てくれない、誰も見たくない、見る価値のない人生、反面教師にもなれない、思考を巡る言葉たちが涙となって顔をくしゃくしゃにする。涙が出なくなって一層それがひどくなる。
何でこんなになったんだろう、一瞬思考が止まり、自分でも不思議に思う。原因は周りのせいだろう、環境がそうさせたのだ、いやしかしこれを考えてしまったとあうことは別の何があるのか、何があるというのだ。もし周りではなく自分が原因の最たるものなら、そんなわけないのだが、もしそうならばなぜなのか。努力が足りなかったのか努力はしてきたはずだ根本的に努力のラインが低すぎるのか、精神的に弱すぎるのか考えてみれば何かをやりきった覚えがない、だからといって人並みの努力の方法を知っていれば苦労はしない。だとしたら皆褒めてくれなかったことに辻褄が合ってしまう、ああ嫌だ認めたくない。どこかで自分は特別で皆がおかしいのだと思っていたい、大きな現実が肩を掴んで離さない。なら特別と言えるように自分を変えればいいじゃないか、そんなの怖い恐ろしくて生きるのさえ嫌になる、暗闇を手探りで歩くのは。暗闇の中に佇んでただ歳を取っていくことも恐ろしい、死ぬのも怖い。生きるにも二者択一を迫られる。苦しみのみである。
皆そんな苦しみの中で生きているのではないか、いや皆この事実に気づいてさえいないだから、あれほど楽しそうに見えるのだ、皆の基準を歪めて真実を誤認させるな。自分だけがきづいているだと、まだ自分が特別だと思い込んでいるのか、さっき自分で言ったろう、悪魔め自分を騙して永劫苦しめようとしているなそうはいかない。悪魔ではない、自分自身さ、自分は一人しかいないそんなわけない、自分の中にそう主張するものがいるわけない。そのはずだ、そのはずだとも、そうだろうか、そうかもしれない、そうでありたい。
気づけば寝ていたようで朝になっていた。
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