第8話 - 地下室
「料理って難しいんだな。。これはきっと大丈夫だよな。。」
ご飯を食べ終えたサルバが燻製中の肉をいじりながらぼそぼそと喋っていた。食べ過ぎかアポはオハンのベットで寝ている。
「よし、ご飯も食べたから朝の続きだ。強くなる方法を見つける」
そう言ってはオハンの部屋に戻り、朝手に取って置いたオーパーツの本を手に再度握って睨んでいた。
「万有引力。。グラアクション。。よくわからないけど俺が危ないことを嫌っていたお父さんが見せてくれなかったものだから絶対何かとは思うんだけど。。どうすれば開けれるんだ。。」
サルバは再度本の裏の宝石をみながら考え込んでいた。
(これは。。丸いから引っ張ることもできないし。。きっとこれがオーパーツであるとすれば普通には開けれないということだよな。。)
その後1時間くらいだろうか。サルバは本を頭の上に持ち上げてダンスを踊ったり、家の外に持ち出して地面に置いて土下座をして拝んだり、訳のわからない呪文を唱えたり、燻製と一緒に焼いたりしていた。
「いや!!もう全部だめだ時間がないってのに。。開け!!」
地面に叩きつけたが傷1つもない。その騒ぎを聞いて起きてき出てきたアポが来てじっとサルバを見ていた。
「なんだよ。。バカにしたいのか?」
「ピ。。」
今まで見たことないあきれた顔をしたアポが本に乗り、裏面の宝石に短い手を向けて力を込めていた。宝石がアポのガレアを吸収し薄紫に色が変わり光りはじめた。
ドーン!
「ピイイ!」
本が少し動いたと思ったら、宝石からアポが込めたレガーのが噴出されるかのように光った後アポが弾き飛ばされた。
「ハハハハハ、バカにしてたのにね!」
「ピ!」
悔しがっているアポを嘲笑うサルバだったが閃いたように話し始めた。
「あ!でもレガーを込めれば反応するってことなんだよね!お父さんがつくったのならお父さんのレガーに反応するはずか。。?きっと俺のレガーでも反応するかも知れない!アポ!ありがとう!!」
「ピ」
アポはドヤ顔で返事をした。そして、サルバは本に向かって手の平を向けた。
「よし、ひやああああああああああああああああ!」
反応がない。
「レガーよー-!!こい!!俺のレガー!!」
反応がない。
「レガーよ、力をくれ!開け!!」
反応がない。
「レガー様の。。痛っ!!!!」
ドーンとアポが小さい体でドロップキックをした。
「ピー!!」
「なんだよ。。俺レガーの扱い方知らないんだよ。。レガーを扱うガレアと呼ばれる人たちの存在もその上のフェノメナも本で読んだだけだから。。そもそもお父さんはそーゆ本は読むなと言ってたくらいでさ。。教えてくれなかったしー!知らないんだよー」
アポはあきれた顔で話を聞いていた。なぜなら、メッタのツノを蹴りで折り、木の間を飛び回ることはレガーの扱い方を知らない人にはできないことであるためだ。サルバは無意識の領域でレガーを決まった動作で既に使っていたのだ。
「ピ。。」
アポが本棚の周りを飛んでひとつひとつ本を確認していた。
「ピ!!」
オーパーツの本が置いてあった1番上の本棚の右隅に埃被った本があった。サルバがアポが指差した場所の下に椅子を置いて本を取って埃を息で吹き飛ばすと今回はオーパーツではなく、普通の本だった。
『レガーの運用』
「お!アポありがとう!!!きっとこの本に書いてあるんだねレガーをどう扱えるのか!」
机があることも忘れてそのまま椅子に座り込み膝に置いて本を読み進めた。
本の内容は大きく三つに要約できた。
①レガーは、ガレアを使うためのエネルギーであり、生まれる時に総量が決まっている。特に貴族や王族などの特別な存在が特に多くのレガーを持っているとされており、後天的に伸ばすことは困難。一般的には『火・水・土・風・雷・光・闇」という『7式』と「強化型」と呼ばれる『武:マーシャル』の個性がある。それらに属さない特異レガーは未分類:アンカテ』と言われており、一つの個性しか扱えない。
②ガレアより上位の力のフェノメナがあり、フェノメナの格になり力を使うときは開眼し、目の色が変化する。レガーの消費量はガレアの倍以上で最高位の紫眼は世界や自然に干渉することもできる領域であり、ガレアを使えるうちの10%以下の人たちがフェノメナの格になるポテンシャルがあるが、その中でも最下位の灰色から紫色の上位の格になっめいく程少なくなり、力の差も明瞭になる。
③レガーの覚醒方法は2つあり、限界を超える経験をすることによる偶然的覚醒と、家紋の独自方法や師匠などによる外部からのレガーを入れ込まれることにより覚醒する。レガーは心臓から全身に送り込まれる。
(限界を越える経験。。外部からの刺激か。。)
「やっぱり、ドーヨからもらった力もそもそもレガーの運用ができてないと使えなかったのか、もう一回やってみよう」
再度机に座り書籍の裏の宝石に手を乗せて胸の心臓をイメージしてゆっくりと血液が流れるイメージをしながら惚れを指先に送るようにした。
それでも何も起きない。朝を食べてからもう結構な時間が経っていた。嫌気がさしたサルバはオーパーツの本を机から思いっきり押し出し、本はベットの下に入った。
「やってらんないよ」
唯一わからないことを聞くことができた父が横にいなくなったサルバはなかなか前に進めずにいた。しかし、再度昨日のアラクネの前で何もできなかったあの瞬間が頭の中でフィルムのように再生された。
「いや、やらなきゃいけない」
そして、落とした本を取るために別途の下に手を入れて本を取ろうとしたが指先に触れたのは本ではない別のものだった。
「。。ドアノブ?」
そこにあるはずのないドアノブに気づいたサルバはベットを退けて、ドアノブを引っ張った。そこには数段の階段と底がよく見えないが確かに空間あるとわかった。妙な胸騒ぎを感じたサルバは誰かに案内されるように階段を下った。その後ろにはアポも続いていた。
「ここは、なんだ暗くてよく見えない」
「ポ!」
アポの小さなポータルの薄紫の光で部屋が見えた。机と本棚一つとランタンだけが置いてある部屋でサルバは直感的に大切な何かがある空間と気付いた。オハンが座っていただろう椅子に腰掛けてランタンの横にあるマッチに火をつけてランタンに入れた。
「アポありがと、もう大丈夫だよ。ここにきっとお父さんは座っていたんだろうな。。でもなぜこんな部屋を作る必要があったんだろう。間違いなく大切な部屋だよ。わかってたとしても入れなかっただろうな」
そう入って机の二つの引き出しの内一つを開けるとそこにつは紫の結晶が先端についてある質素なネックレスがあった。
手を伸ばした瞬間紫の光が部屋の一面に充満した。そして聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「。。サルバ。。ごめんな」
オハンの声だった。
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