仲良し2期生!
これは、ハロウィンが終わり、VSイベントが始まる前の、束の間の日常の記録。
***
ガーデンの2期生で何かしたい!
そんなアイラの声に快く賛同してくれた、リラ、リツ、エマ、ラズール、アカネちゃん。
晴れて全員で遊園地に来ることができた。
6人の目にまず飛び込んできたのは、メリーゴーランドだった。ひとしきり楽しむ6人。穏やかな時間が流れる。
次にアイラが駆けていったのは、コーヒーカップだ。調子に乗ったアイラはコーヒーカップをめちゃくちゃに回転させ、一緒に乗っていたエマは目を回すこととなった。リツはアカネと共に乗り、アイラに負けじとカップを回すが、アカネは長い髪を靡かせながら、なんでもないように優雅にちょこんと乗っていた。リラはラズールと共に乗り、ゆったりとした回転を楽しんだ。
この時点で既にエマはややグロッキーだったのだが、次の探索場所に選ばれたのはお化け屋敷だった。
お化け屋敷を、リツ&アカネは余裕でクリア。リラはラズールに手を引かれながら恐る恐るクリア。エマはアイラに平謝りされ、心配されつつ無事クリアした後、お化け屋敷の壁に寄りかかり暫し休むこととなった。
「すぐ行くから、先に行ってて。」
その言葉に無理に傍に残ることもできず、気掛かりながらもあとの5人は空中ブランコへ向かった。
ここでリツの意外な弱点が発覚した。空中ブランコでひとり派手に絶叫するリツの声は、お化け屋敷のエマまで届いた。遠くから見ていて心配になったエマは、
「……大丈夫かなぁ……」
逆に心配になり、休憩もそこそこに合流する。
6人で向かったのは、ジェットコースター。エマは他の皆が乗るのを見送った……そう、皆。リツは周りから心配されるも、強がりつつ搭乗し、そして案の定絶叫した。
「うわぁああああああああああああああ」
「存外怖がりさんだったんじゃのう…!アカネちゃんが手を握っているから、大丈夫じゃよ!」
リツの隣でアカネが声を掛けるが、風を斬る音やリツ自身の絶叫で全てかき消されてしまい、聞こえてはいないようだ。
純粋にジェットコースターを楽しんでいるアイラの歓声。隣は空席だ。
体を小さな座席に固定されたことで不安げな表情を浮かべながら悲鳴をあげるリラ、その隣はラズールで、リラに服の端をしっかりと握られながら、彼なりに楽しんでいるようだった。
なんだか皆がわあわあしてる、それを眺めるエマの表情は暗い。
ジェットコースターから降りてきた皆がそれぞれに心配して声を掛けるが、なんやかんやと少し遠ざけようとするところがあるエマ。
今はそっとしておこう、と、リツ以外の4人は頷きあった。今、リツに他のドールの心配をしている余裕は無かった──エマに介抱され元気を取り戻したリツは、遊園地制覇に向け、最後のアトラクションへと先陣を切った。
最後のアトラクションは、観覧車。リツは全員から心配されるも、強がりつつ搭乗し………4分の1上昇したところで気絶した。リツを心配し同乗していたリラはあわあわとしつつも、その場でできる介抱に務めた。
アカネとラズールは、アカネのポシェットから無限に出てくるお菓子を分け合いながら、リツとリラの心配をしたり、誰にも見られていないと思って一人芝居のようなことをしているアイラを眺めたりしながら談笑した。
「エマちゃんと乗りたかったなぁ……」
今度はきっと。
別に、遊園地でなくとも構わないけれど。
また6人で何かをしようとアイラが再び声を掛ける時には、きっと、快く応えてくれるだろう。
縁あって同じ期間にガーデンで目覚めた、2期生の仲であるから。
ガーデン・ドール ~エピソード オブ アイラ~ 黒斐みかん @yoka_showroom
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