3話

 本田先輩に玲奈のことを話したら、先輩はたいして玲奈のことを聞いてこなかった。きっと俺の恋愛には興味がなんだなと感じる夜だった。


 その後も玲奈にはラインを送れない日々が続いていた、もうかれこれ1か月は連絡がとれていなかつた。ただ自分が臆病でメッセージを送れていないだけなのだが。


 頭がもやもやしながら出社すると本田先輩がもう席についていた、いつも見ている、先輩のデスク姿がなぜかいつもよりも意識してみていることに気が付いた。

いつも気が付かない、先輩の髪を触る癖、少しはだけている胸元、整った顔がいつもより鮮明に視界に入ってきていた。


 先輩のことを見ていると自然と目が合ってしまった、先輩はなぜかウインクを俺にしてきた、その時俺の心は子どもが欲しいおもちゃを見つけた時のように心が躍っていたことに気が付いた。


 昼休みになり仕事で疲れた体を癒すために会社の食堂に向かおうとしていた。

「松田~~~今からごはんか?」

松田先輩も昼休憩に入ろうとしていたとてもウキウキした表情をしていた。

そんな先輩のたまに見せる子どもぽいところもものすごくかわいいと思えていた。

「今から飯なら一緒に食べないか?」

いつもコンビニで済ませている俺は食堂で一緒にご飯を食べる友達などいないためそれを気遣って誘ってくれているんだとすぐ気づいた。

本当に職場では本田先輩にいつも感謝をしている。

食事中は大した話はしなかった、昨日の話も、玲奈の話も先輩の口からは出てこなかった。やはり自分には興味がないのだと思った。

でも俺は昨日までとは先輩を見る目が確実に先輩ではなく女性に代わっていることに気が付いていった。

「先輩今週の土曜日ひまですか?」

なぜか頭の中に先輩と休日も会いたいという考えが浮かんで、俺は先輩のことを誘っていた。

「開いているが、なんか相談でもあるのか?」

先輩は首を傾げながら聞いてきた。相談そんなんではなく先輩に休日に会いたい仕事以外の先輩がもっと見たい何て言えるわけもなかった。

「水族館のチケットもらって先輩好きかなって」

全くもって嘘だ水族館なんて今ただ頭の中に浮かんできた単語でしかなかった。

ただ先輩と休日に遊びたいこの思いで普段人と話すのが得意ではない俺の口からでたはったりであった。

「いいねー!水族館行きたいと思っていたんだ。」

断られると思って誘っていたのでまさかの返答に俺はびっくりして言葉を失っていた。こここれは俺は先輩をデートに誘っているんだと我に返るまでそう時間はかからなかった。この時俺は玲奈のことが頭の中から消えて行ってしまっていた。

 

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相席恋愛 berry3 @koni3

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