第2話
目が覚めると、魔王城の前にいた。
どうやら、最終決戦があった場所で寝ていたらしい。
「魔王は!?」
周りを見渡しても、美しい草原が広がり、魔王城の近くには穀物を栽培していた跡があるくらいだった。
最後に思い出せるのは、魔王に喉を貫かれたことと、狂戦士のあいつに切り裂かれたことだけだ。
キレイな朝日を魔王城の上から上がることをみて、あの決戦から数時間寝てしまっていたようだった。
「魔王も仲間も、魔獣の姿も見えない…」
…帰ろう。
フラフラとした足取りで帰路についたが、荷物がないので、途中獣を狩り、薬草を拾いつつ食いつなぎ、3日ほど歩いた。
そして家についた。
「これは…!?」
家があったであろう場所についた。
我が家のある場所は、ペテロニカ王国の王都から少し離れた場所にある。
王都から魔王城に近いほうが土地が安いとかなんとか、先祖が言っていたと父が書き残していた。
多分、うちにはお金がなかったのだろう。
いやそんなことよりも。
家がない。代わりにあるのは、花畑と墓だった。
「ティスタ!?ティスタ!!いるか!!」
妹の名前を叫びながら誰の墓かわからないが、墓標に近づいた。
墓標には名前が記されていた。
「勇者 オセここに眠る…!?それにこの剣は…」
墓標の裏には王様から賜るはずの勇者の剣と呼ばれる剣が刺さっていた。
そう、僕は受け取っていないんだ。
勇者任命式の時の王様は
「この剣は名匠エンバーが……であるからして……つまりだ、この剣はお前にはもったいない。わかるな?」
と言っていたな。
剣も使われなければ意味ない気がするが…。
それをこんな使い方…。
推測でしかないが、勇者が使っていた剣として祀られたのだろう。一体誰が…
というより、これらのことをこの数日でできるものなのか?
王様に報告し、家を壊し、僕の墓を建て、花を咲かせる?
何かがおかしい…。
ティスタの返事もない…。
「俺はどうすれば…」
そんなときに
「オセ…?オセではありませんの?」
「ダイナ…」
ダイナは魔王を倒すときにいた魔法使いの1人だ。
殺戮勇者〜七英雄へ復讐〜 公たろ3 @_Talow
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