殺戮勇者〜七英雄へ復讐〜

公たろ3

第1話


「やりましたね」


僕達はついに魔王を倒した。


「当然だろ」

「私にかかれば余裕ですわ」

「多勢に無勢ってやつですね」

「…」

「ちっザコが」

「あ、敵の武器もらって帰りましょ!」

「やめときなよ、汚いよ」


みんなたしかに余裕そうだ。

それはそうだ、みんなはほとんど働いていないんだから。


タンカー、魔術師2人、付与師2人、忍、狂戦士

そして僕、勇者


僕がこのチームの要だった。


「よし、これでティスタも…!?」


横目で魔王をみると、魔王の死体から触手のようなものがでてきて、僕の喉を貫いた。


「かっ……!!タスケテ」


言葉になっていたかわからないが、しかし僕の意識はほとんどなくなった。

喋れないが目は見えている。音は聞こえる。


仲間の声がかすかに聞こえる。


「あれ、勇者様は?」

「あいつのことは放っておけ。どうせまたシスコン出してるんだろ」

「にしても遅くないですか?」

そして後ろを振り向いた彼らの顔は



みな笑顔だった。




「あぁ、やっと死んだんですわね。」

「正直、魔王より強いやつなんて生かしておけないと思ったんだよな。」


まて、俺はまだ死んでいない


「魔王も勇者も、戦って共倒れ。というのはいかがですか?」


誰かが言うと、賛成、との声が聞こえてくる。


「てなわけで、トドメ刺してくるわ。」


歩いてくる狂戦士。


「ヤメ…ロ」


気持ちで吐き出した言葉を最後に。

大きく振りかぶった斧が見え。

意識が途絶えた。

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