おじさんと正義の戦隊イエロー
Side 羽崎 トウマ
正義の戦隊、スターレンジャーと知り合いになった。
仲的にはスマホの通信アプリで連絡し合う仲である。
ミストレスさんとかと同じレベルだ。
ミストレスさんもそうだがスターレンジャーの皆も宇宙人であるらしい。
金はあるらしく、一戸建ての家に住まい生活しているそうだ。
どっから出てるんだろう、金。
謎である。
とまあともかく生意気な金髪ツインテ爆乳ギャルのイエローと仲良くなった。
ちゃんとした名前はあるが身内内でもコードネームで呼び合う仲らしく、俺もイエローと呼んでいる。
イエローは天然ギャルキャラと言えば良いのだろうか。
何を考えてるのかよく分からない子だ。
現在俺とイエローはと言うと——
=スターレンジャーの家・リビング=
(なんで俺、女の子のシェアハウスまで来てイラスト描いてるんだろう)
スターレンジャーの家で何故かイラストをあれこれ描いている。
小説に専念するようになってからあまり描かなくなったが、時折ちょくちょく書いている。
つか、じーと見られながら描くの精神的にくる。
お題はスターレンジャーのイラストを描いて欲しいとか、実在するヒーローのイラストとか、まあ特撮ヒーロー関連が多い。
オリジナルのヒーローまで披露する事になった。
これでも10年以上前は漫画の専門学校に通ってた身だ。
どうにか上手く描けた気がする。
「と言うか他の二人はどうした?」
ふとその事が疑問になってイエローに尋ねた。
「パトロールとかしてる」
「ふーん。パトロールねえ」
「うん、パトロール」
パトロールねえ。
本当だろうか?
てか変身したあの衣装身に纏ってやってるんじゃないだろうか?
不審者として通報されないだろうか?
などと変な心配をする俺だった。
「絵、描くの上手いんだね」
「イエローさんは絵が好きなの?」
「うーん、興味があるかなってぐらい。模写とかはした事あるけど、オリジナルは思いつかない」
「オリジナルは大変だよな、うん」
「トウマはそんな事なかったの?」
「昔からオリジナルばかり書いてたから。だけど最近はあれこれ考えるようになったからちょっと新しく産み出せなくはなったね」
「そうなんだ」
いいオリジナルキャラに対しての考え方は様々だ。
考える上で誰もが通る道ってやつが幾つかある。
「例えば、強さとかだ。史上最強に強いキャラを産み出したとすると魅せ方とか工夫しないといけない。つまりそれに応じた舞台や敵が必要になってくる。続き物——いわゆる連載漫画として考えるなら舞台設定やキャラ設定だけでなく、ストーリーの魅せ方も工夫しないといけない」
創作者なら誰もが一度は失敗するかもしれないところだ。
成功している例があるが、大体は特殊なケースだ。
大体はマンネリ化して失敗する。
「まあだからと言ってキャラクター人気とか考えて産み出すのも考え物だけどね」
「そうなの?」
「うん。それで失敗した作品も多くあるから」
「大変な世界なんだね。地球の漫画業界」
「宇宙の漫画業界はどうなんだ?」
ちょっと気になって尋ねてみた。
「様々だし、面白いのもあるけど、日本の漫画は凄いと思うよ?」
「そ、そう?」
なんだか凄い事になってるな日本の漫画。
「それはそうと、漫画とかイラストは描かないの?」
「うーん、長い事小説ばっかり書いてたせいでまた描く気が起きないんだよね」
「えー何か勿体ない」
「ごめんね——」
俺は苦笑して謝罪した。
☆
イラストは切り上げして今度は二人切りでゲームをする。
正確に言えばイエローがプレイしているゲームの攻略の手伝いをしていた。
最近ゲームばっかやってんな俺。
「ゲーム詳しいんだね」
「うん。自分でも驚いている」
などとテレビに映るゲームの大画面にアレコレと指示を飛ばしながらイエローのプレイを眺めるスタイルだ。
何だこの状況。
「「ただいま」」
「おかえりー」
などとしているとレッドとブルーが帰っていた。
「あ、ゲームしてたんだ」
「あまりゲームばかりするのは体に毒だと思うんですけど」
レッドとブルーがテレビの画面をみてそう言う。
特にブルーの意見は正論過ぎて反論できなかった。
イエローはと言うと「別にいいじゃん、対決の日じゃないんだし」などと言ってゲームをプレイしていた。
「丁度4人になったし、皆でゲームしようよ」
「あ、それいいかも」
イエローの提案に乗っかるレッド。
「はあ、仕方ありませんね」
と、ブルーは何だかんだで乗り気だった。
☆
ゲーム大会を終えた後、俺は帰路につこうとした所で顔を真っ赤にしたミストレスさんと出会う。
「もしよろしければ家でゲームしていきませんか?」
「う、うん。いいけど——」
待ち構えていたのか顔を真っ赤にして視線を反らしてそんな事を言う。
なんだこのラブコメ展開は。
今日も夕飯はミストレスさんの家でかな?
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